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大豆300Aレポート#04

土壌タイプを見極め、適切な有機物を施用!

〜【大豆300AレポートNo.2(前編)】継続した土づくりで、地力改善!〜

【大豆300AレポートNo.2(前編)】継続した土づくりで、地力改善!

地力窒素を多く吸収する大豆栽培において多収を図るには、有機物の投入による土壌の物理性と化学性の向上が鍵となります。 そこで今回は有機物資材を施用し、地力維持増進を目的に行う前田さんの取組みを通じて、土づくりを考えます。
(この記事は、平成27年5月15日発行のクボタの営農ソリューション『大豆300AレポートNo.2』を元に構成しています)

有機物を施用し土壌の物理性を改善

 水田で畑作物である大豆を栽培するにあたり、大豆の生産性を高めるためには、
①排水の良好な土壌
②有機物の多い土壌
③根が深くまで発達する土壌
④団粒構造が発達し、通気性と透水性の優れた土壌
を意識した土づくりが必要となります。 また、大豆は大量の窒素を必要とするために、根粒の活性化を高めることもポイントとなります。 根粒は通気性と保水性の高い土壌で旺盛に生育することから、排水対策を行い圃場の通気性を高める他に、作物残渣をすき込み、堆肥などの有機物を施用して、保水性を高める必要があります。
 反収300 ㎏を目指す前田さんも、有機物を施用した土づくりに力を注ぎ、地力の維持増進を図っています。 「土づくりには、こだわっていますね。 土壌が良ければ大豆だけでなく、どんな作物をつくっても良い作物が収穫できます」と話される前田さんが、まず取り組むのが稲わらをすき込む秋起こし。 プラウで15~ 20 ㎝の深さに深耕をし、根の生育範囲を拡大するとともに、天地返しで土を反転させて、下層にすき込まれた有機物の分解を促進しています。

 また「大豆栽培に必要な肥料成分である、カリウムを含む木材資材を燃焼させ灰にしたものを堆肥として全圃場に10a あたり1t投入しています」。
さらに、排水性が悪い圃場にはもみ殻堆肥を投入。
「土壌診断を参考に腐植が少し足りないと感じた実証圃では、発酵鶏糞を10aあたり200 ㎏入れています」と、前田さん。
圃場ごとに土壌の性質を見極めた上で適正な有機物を施用して、保水性・透水性・通気性を高め、根が養水分を十分吸収できる土壌環境を整えています。
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化学性の改善を目的にヘアリーベッチを施用

 また、前田さんは特に地力の消耗が見られる圃場において窒素肥沃度の向上を狙いに、ヘアリーベッチをすき込んでいます。マメ科緑肥のヘアリーベッチは、大豆と同じように根粒で窒素固定を行うため、土壌の窒素が増えます。「ヘアリーベッチは湿害に弱いため、ぬかるんだところに播種しても生育せず、栽培するためには排水性を良くしないといけません。特に前作が水稲の場合には排水対策は必要で稲刈り後、額縁明きょと暗きょを施工してから播種をしています。
 播種は9 月の末から10 月いっぱいまで、耕うん・播種・覆土・鎮圧が同時にできる搭載型シーダーで10a あたり4 ㎏、晩生品種を播種し、すき込みは播種の10 日前にプラウのみを使って行います。面積が大きいですから、一工程でできる作業性の良さを考えて、プラウですき込みます」と、話される前田さんですが今年初めて、サイドカッターで茎葉部を切断したあと、ロータリですき込む方法も試しました。「すき込みの仕方で、大豆の生育にとってどのような緑肥効果が得られるのか楽しみです」と、土づくりにこだわりを見せます。
動画はこちらから

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土壌診断で適切な施肥対応を行う

 良質の有機物を施用した土づくりを長年継続して行うことで、長期に渡り土壌の物理性と化学性の改善を行っている前田さん。こうした地道な積み重ねは、目に見えて現れてきていると言います。「この辺の圃場は粘土質で、初めて大豆を作付けする圃場で深く起こすと大きくて硬い粘土の塊がゴロゴロ出てきます。しかし排水対策などで圃場を乾かし、有機物を入れた土づくりを続けている圃場では深く起こしても触ると崩れやすく、柔らかい土になっています。土壌の性質は変わらないものの、状態は変わりましたね」。

 また、前田さんは実証圃において土壌診断を実施しました。「診断書を見ましたが、大豆の生育において標準的な土壌だと思います。今以上に土壌全体のレベルを上げることはできるのですが、それには費用も手間も掛かります。それなら今もうすでに蓄えてある養分が十分にあるので、それを活かし不足している養分があれば、それを一番効果が出るときに部分的に施用する。コストをかけず安くて作物の生育に良い土づくりというのが、私の求めるものです」と、話される前田さん。

 施肥が過剰になり過ぎても、また不足しても収量・品質が低下することから、その年や圃場に応じた適正施肥を行うことで、目標とする収量は確保しながら、肥料コストの過剰分を低減すると同時に品質の安定を図っています。この土づくりの効果が大豆の収量・品質にどう表れるのか、今後の生育が期待されます。

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使用インプルメント

緑肥細断
サイドカッター
スガノ農機(株)

●鋭利で強靭なハンマーナイフが、緑肥を確実に切断します。
■主要諸元
型式: TL33-180AM
適応トラクタ: 70 ~ 100PS
寸法: 全長2630× 全幅2300× 全高1140 ㎜
刈取高さ : 250 ~ 80 ㎜
最大作業速度:8km/h

緑肥すき込み
リバーシブルプラウ
スガノ農機(株)

●往復耕が可能で、作業時間が短縮できます。
■主要諸元
型式: RQY143CS
適応トラクタ: 35 ~ 60PS
寸法: 全長2460× 全幅1500× 全高1600 ㎜
作業深さ : 140 ~ 260 ㎜
作業幅:1070 ㎜
作業速 : 4 ~ 6km/h

緑肥すき込み
2WAY ローター"アース"
小橋工業(株)

●専用すき込み爪により稲わらや雑草を一発ですき込める2WAY ローターの大型トラクタ専用モデル。
■主要諸元
型式: FTV260
適応トラクタ: 80 ~ 100PS
寸法: 全長1320× 全幅2920× 全高1140 ㎜
耕幅: 2600 ㎜
耕深:120 ~ 180 ㎜

大豆300Aレポート バックナンバー
#01 【大豆300Aレポート】連載開始!
#02 【大豆300AレポートNo.1(前編)】徹底的な排水対策で単収300kgを目指す!
#03 【大豆300AレポートNo.1(後編)】排水性を大きく向上させる「地表排水」と「地下排水」

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