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大豆300Aレポート#06

土壌タイプ・目的に合った播種がポイント!

〜【大豆300AレポートNo.3(前編)】耕うん同時うね立て播種で重粘土壌を克服!〜

【大豆300AレポートNo.3(前編)】耕うん同時うね立て播種で重粘土壌を克服!

排水対策、地力向上に取り組んだ前田さん。いよいよ播種作業です。
重粘土壌でも良好な苗立ちを確保するため、耕うん時同時うね立て播種を実施。その様子をレポートします。
(この記事は、平成27年5月27日発行のクボタの営農ソリューション『大豆300AレポートNo.3』を元に構成しています)

動画はこちらから

重粘土で良好な出芽苗立ちを確保するために耕うん同時うね立て播種に取り組む

 大豆栽培において特に厳しい圃場条件である、重粘土壌の圃場を多く抱える前田さん。
重粘土壌での播種は、いかに湿害を回避し良好な出芽苗立ちを確保するかが課題です。前田さんは、この難題に耕うん同時うね立て播種を行うことで解決を図っています。
「それまでプラウで起こして土壌を乾燥させてから、ロータリでうねを立てずに播種していましたが、出芽率が悪く、生育も良くありませんでした。
雑草があるなか刈れる所だけ刈るという考えで、たくさん獲ろうという意識もありませんでしたから、当然反収は100kg もなかったですね。
大豆は儲からないという意識で、地域もそのような捉え方でしたから、気にもなりませんでした」と、当時を振り返る前田さん。
そんな前田さんの意識を変えたのが、5年前に旧富山クボタが立ち上げた大豆300A プロジェクトでした。そこでアップカットロータリによる耕うん同時うね立て播種技術に出合い、「実際に見て、これは良い」と判断した前田さんは、入会した翌年に早速アップカットロータリを導入。導入効果は大きく、目を見張るものがあったと言われます。「アップカットロータリは爪が逆回転しますから、表層には細かい土が集まって土壌が乾きやすくなり、下層には荒い土が集まるので、排水性が良くなります。また、うねも立てるので雨が降っても、種が水に浸からず湿害に遭いにくくなり、出芽率は以前と比べると格段に上がり、生育が良くなりましたね。それはもう画期的で、収量もみるみる上がり、300kg 獲れるまでになりました。それまで抱いていた大豆に対する意識が大きく変わったほどです」と、効果を実感しています。

効率化が図れ大面積に対応できる

 また、「アップカットロータリによる耕うんうね立て同時播種は、耕うん・うね立て・播種が一度に行えるため、作業効率が良いですね」と、話される前田さん。梅雨の間の限られた播種時期に、大面積を効率的に適期播種できるとなると尚更、そのメリットは大きいと言われます。

地力が低い圃場で収量向上を狙いに深層施肥播種に挑戦!

 前田さんは今年初めて、深層施肥播種にチャレンジしました。「取り組もうと思った最大の理由は、収量の向上を狙ってのことです。
私が作付けする地域では水稲2 年、大豆1 年の3 年輪作で、生産調整が始まって30 年が経過しているため、地力が低下しています。有機質の肥料や堆肥を入れて土づくりには手間も費用も掛けているのですが、それでも追いつかない圃場があり、思うように収量も品質も上がりません」。何か良い手立てはないか模索していたところ、「東北で収量・品質が上がった、深層施肥播種技術の実証事例をクボタから聞いて興味を持ちました。松永顧問とも相談して、地力のある圃場で播種しても効果は薄いということで生産調整を続けて地力が低下した圃場で深層施肥播種を行うことにしました。
 話を聞くと、深層施肥播種は種子より深い位置に緩効性窒素肥料を施肥することで、根粒菌による窒素固定を大きく抑制することがなく、大豆の窒素要求量に合わせて効率的に窒素を供給することができるため、中・後期の生育が良くなるということで、どのような効果が表れるのか今後の生育が楽しみです。今回、深層に施肥する肥料は石灰窒素だけのものと、石灰窒素に尿素を混合した『ルバート』ものと、2 種類を使用して比較しましたが、生育を見て、どちらの肥料が良いのかコスト面も考えながら比較検討して、肥料選びはしたいと思います」。

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収量UP・省力化を目的に狭畦栽培にもチャレンジ

 条間を慣行の半分程度に狭めて中耕・培土を行わない狭畦栽培は省力化が図れるため、作付面積が大きい生産者の方にとって魅力的な栽培技術です。前田さんも中耕・培土の手間が省けるということに、大きなメリットを感じています。
「規模が大きいですから、2 回の中耕・培土作業がなくなれば、労力もコストも省けますし経営的にずいぶん助かります」。また、培土を行わないため地表面の凹凸がなく「うねに乗り上げてコンバイン収穫することがないので、身体が大きく揺れて疲れるといったこともなくラクですね」と、話されます。
 さらに前田さんが狭畦栽培に大きな魅力を感じているのが、収量の向上です。「慣行は条間を75 ㎝にして播種するのですが、狭畦栽培の場合、今年は37 ㎝ぐらいの条間で播種しました。狭畦栽培は慣行と比べて播種量も条数も倍近くありますから、収量も倍近くの収量が望めるのではと期待しています。実際に去年、県の実証で狭畦栽培を行ったところ、坪刈りで計るととんでもない数字になりましたね」と、今年の取れ高に期待を寄せています。

狭畦栽培は雑草対策がポイント

前田さんは倒伏を回避するために、早播きせず6 月11 日に播種しました。
播種は耕幅240 ㎝のアップカットロータリを使用し、1 畝6 条の耕うん同時うね立て播種を行いました。
狭畦栽培は大豆が地表を早期に覆うことから、雑草の生育が早くから抑制でき、要除草期間を短くできるメリットがありますが、「狭畦栽培では、薬剤による除草作業が最も重要」と考える前田さんは、耕起播種前と播種後と2 回、除草剤散布を行う他に、今年新しい機械を導入して畦間・株間の除草を徹底する予定です。
「 昨年、雑草がなかったので1 回しか除草剤を散布しなかったのですが、後からどんどん草が出てきて、後で手取りした苦い経験あります。その経験を踏まえ、大豆の畦間・株間に除草剤を精度良く散布できる『万能散布バー』をブームスプレーヤーに装着して、確実な除草を行います」と、話される前田さん。今後は雑草の生え方を見ながら、適期を逃さず雑草防除を行う計画です。

動画はこちらから

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使用インプルメント

耕うん同時うね立て播種
アップカットロータリ(耕うん・砕土・整地)
松山(株)

●耕うん部の後方に設けたスクリーンと、逆回転する爪の効果により表層は細かく、下層は粗い二層構造に仕上げます。
■主要諸元
型式: BUR2210H
適応トラクタ: 55 ~ 85PS
寸法: 全長1445× 全幅2295× 全高1145 ㎜
標準耕幅:220cm
標準耕深:12 ~ 15cm

深層施肥播種
小うね立て深層施肥播種機(深層施肥播種)
松山(株)・(株)タイショー・アグリテクノ矢崎(株)

●種子より15cm 程度深い土中に、窒素肥料を施肥します。3 本の小うねを立てると同時に、畦間にソフター2 本を通して排水を促すので、湿害回避が期待できます。
■主要諸元
適応トラクタ: 37 ~ 60PS
適応条間:70 ~ 75cm
深層施肥深さ:うね頂部から14.5 ~ 22.0cm(調整式)
深層施肥量:7 ~ 40kg/10a(4km/ 時で作業した場合)

※事前耕うんを行い、石の多い圃場では使用しないでください。

耕うん
2WAY ローター"アース"
小橋工業(株)

●専用すき込み爪により稲わらや雑草を一発ですき込める2WAY ローターの大型トラクタ専用モデル。
■主要諸元
型式: FTV260
適応トラクタ: 80 ~ 100PS
寸法: 全長1320× 全幅2920× 全高1140 ㎜
耕幅: 2600 ㎜
耕深:120 ~ 180 ㎜

大豆300Aレポート バックナンバー
#01 【大豆300Aレポート】連載開始!
#02 【大豆300AレポートNo.1(前編)】徹底的な排水対策で単収300kgを目指す!
#03 【大豆300AレポートNo.1(後編)】排水性を大きく向上させる「地表排水」と「地下排水」
#04 【大豆300AレポートNo.2(前編)】継続した土づくりで、地力改善!
#05 【大豆300AレポートNo.2(後編)】大豆多収のための土づくりのポイント

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