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大豆300Aレポート#09

品質・収量低下につながる雑草を4回の除草で取りきる!

〜【大豆300AレポートNo.4(前編)】適期除草がポイント!雑草に勝てば、必然的に収益につながる〜

【大豆300AレポートNo.4(前編)】適期除草がポイント!雑草に勝てば、必然的に収益につながる

今回の大豆300Aレポートのテーマは、雑草対策。
①耕起播種前の茎葉処理除草剤散布
②播種直後の土壌処理除草剤散布
③中耕・培土
④生育期の茎葉処理型除草剤散布
を体系的に行うことで、徹底的な雑草防除に努める前田さんの取組みを紹介していきます (動画はこちら)。

(この記事は、平成27年7月27日発行のクボタの営農ソリューション『大豆300AレポートNo.4』を元に構成しています)

初期の雑草防除に努める

 「水田転換畑での雑草対策は大豆栽培において、収量につながる最も重要なポイントです。ですから、とにかく雑草を抑えようという強い思いがあります」と、話される前田さん。特に雑草が多発する圃場においては、耕起播種する2週間前に広葉からイネ科まで幅広い種類の雑草を枯らすことのできる『ラウンドアップマックスロード』を散布しています。「今まで播種前に除草剤は散布していなかったのですが、事前に散布することによって、その後の雑草の発生がかなり抑えられているので、播種前に除草剤を散布しました」
 また、前田さんは播種直後にも広範囲の一年生雑草を枯らすことのできる『ラクサー乳剤』を土壌散布して、初期の雑草抑制に努めています。「播種直後の土壌処理除草剤散布は、土壌が極端に乾燥していると効果が劣るため、土壌表面が湿った状態、適度の水分を含んだ状態で散布を行うのがベストです。播種後すぐに散布したいのですが、この圃場は近くに収穫間近の麦の圃場があり、風もよく吹くためなかなか散布できません。そのため翌日の早朝、朝露で土壌が適度に湿った状態で、風のない時に散布しています」。耕起播種前、播種直後と2回の除草剤散布で、前田さんは雑草の発生を長期間抑制しています。

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雑草対策だけでなく安定多収のために欠かせない中耕・培土

 水田輪換畑の雑草は湿潤土壌を好むため、排水対策をきちんと行い、雑草との生存競合に負けない大豆にすることがポイントです。排水対策をした水田輪換畑では、大豆の出芽や初期生育が良好で、大豆が土壌表面の水分を吸収して乾燥させるため、雑草の発生と生育が抑制されます。排水対策を徹底し、播種前と播種直後と2回除草剤散布を行った前田さんですが、中耕・培土の組み合わせによる防除を基本としています。中耕・培土は除草に効果があるだけでなく、大豆の安定多収のために欠かせない作業です。
 中耕・培土は、開花期前までに済ませます。開花期以降ではうね間にすでに根系が伸長しているため、断根が起こりやすく生育抑制や落花につながるためです。前田さんは1回目の中耕・培土を7月3日に行いました。「今5葉半ぐらいですね。私のところでは、いつも5月20日過ぎに播種して3葉ぐらいで実施しますが、今年は5月末と播種時期を遅くしたため中耕・培土のタイミングも遅くしました。作業は中耕ディスクで行いました。50aのこの実証圃の場合、30分ほどで作業が終わるので、効率が良いですね。ロータリー式の機械と比べ、3倍の能率です」。
 また、「株元まで確実に土を寄せることができるのも良いですね」と、評価されます。「2回目の培土も行う予定でしたが時期的に遅く、根を傷める危険性があること。また、1回目の時に土を多く寄せたことから、1回の培土で十分だとアドバイスをもらったため、2回目は行いません」と、話される前田さん。培土を高くしてしまうと、コンバイン作業中に土がコンバインの中に入り、汚損粒発生の原因となるばかりか、刈り残しにもつながるため、1回に留めました。

「除草カルチ」の動画はこちら | 「中耕ディスク」の動画はこちら

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1回目の中耕・培土から約2週間経過した7月21日、前田さんの実証圃場において、万能散布バーを使用した除草作業の実演会が行われました。実演会は北陸近畿クボタの富山事業所が主体となって開催し、この日は富山管内から県の普及所の職員の方々をはじめ、担い手の方たちが大勢参加され、関心度の高い実演会となりました。

的確にうね間・株間の雑草を防除できる「万能散布バー」

 万能散布バーは、乗用管理機やブームスプレーヤに装着して使う、吊り下げ式のうね間処理装置で、生育期の雑草対策に悩む生産者の課題を解決する画期的な機械です。本州での導入は少なく、富山県内においては初めての試みで前田さんも大きな期待を寄せています。「昨年、土壌処理剤で雑草がかなり抑えられたので、以後の除草剤を散布しなかったのですが、後から草がどんどん出てきて、夏の暑い日に大人数で手取りした苦い経験があります。重労働でしたしコストもかかって、それはもう大変でした。ですから、今回『万能散布バー』で、除草対策を万全にしたい」と意気込む前田さん。
 「これまで色々なタイプのうね間散布装置を使ってきましたが、散布バーが短いため下まで散布できなかったり、長さはあっても柔軟性に欠けるというか、棒が下がっただけのような状態でしたので、高低差があるところでは地面に散布バーが引っかかって折れたりすることもありました。万能散布バーは地面に追従するソリ型のバーのため、一度セットして散布高さを決めるだけで、あとは高低差を気にする必要もなく、常に一定の高さで散布できるのが良いですね。しかも一つ一つのバーが独立していますから、圃場条件に左右されない精度の高い散布ができます」と、メリットを話されます。

動画はこちら

 「今回散布した除草剤は難防除雑草にも効果がある非選択性の除草剤、バスタ液剤です。バスタ液剤は、生育期のうね間はもちろん株間にも適用がありますが、大豆に飛散すると枯れてしまうため、散布には精度が求められます。そのような除草剤が散布できるのも、ドリフトが少なく確実にうね間・株間に除草剤が散布できる万能散布バーだからと思います。また、万能散布バーは、ゴムでできたベルトでうね幅の調整が簡単にできるので、狭畦栽培でも有効です」と、話される前田さん。
 「これまでのように、散布バーが引っかからないように、作業に気を使うこともなくスピードを上げて散布できるので能率も上がりますし、本当に良い機械だと思います。万能散布バーという、その名前の通り万能ですね」と、満足されています。

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除草のポイントは適期を逃さないこと

 「生育期に生えた除草剤の散布時期は摘心をしてから大豆の茎が短くなって、下にどんな大きさの雑草が生えているかで判断します。大きくなった雑草を叩くよりも、小さいうちに除草剤を散布するというのが重要で、松永顧問も言われたように除草剤を散布するタイミングが大事ですね」と、除草作業のポイントを話される前田さん。
 また、「自分が管理している圃場だとある程度色んなことが分かるのですが、新たに借り受ける圃場については、細かいデータがないため、どのような雑草がどれくらい発生するのか分からないので、その時の対応というのが必要になります。除草剤にしても一律同じように散布しないといけないということはないので、圃場ごとに雑草の発生や種類を見ながら、除草剤を散布する回数を増やしたり、種類を変えたりして工夫しています。除草剤も良いものは高いので、できれば安い除草剤で雑草が抑えられればそれが一番良いのですが、その剤を使わないと収穫できないということになれば、それはかえって赤字になるので、コストがかかっても、汚損粒の発生につながる雑草をきっちりと抑えることがポイントです」と、話される前田さん。
 「汚損粒が発生し、特定加工用大豆にも格付けされない大豆では、収入につながりません。収入を得るには高品質な大豆づくりが求められます。雑草に勝てば必然的にそれが収益につながってきます。雑草に大豆が負けるようであれば、その時点で収入にはならないのです」と、雑草対策の重要性を強調される前田さん。圃場ごとの特徴を見極めながらコスト面も視野に、どのような雑草対策が安定経営につながるのか、日々考えておられます。

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使用インプルメント

耕起播種前・播種直後除草剤散布
フルキャビンハイクリブーム
(株)丸山製作所

●作業者が消毒作業や除草剤散布の際に農薬被爆から守るキャビンハイクリ仕様。
●水田や畑で旋回しやすくロスが少ないよう4WS機構を搭載。

■主要諸元
型式:BSA-650CE
寸法(㎜): 全長4120× 全幅2150× 全高2560
最大タンク容量(L):650
吐出量(吸水量):100L/min

中耕・培土
中耕ディスク
小橋工業(株)

●水分の多い圃場でもディスク式なので、土を練らず素早く培土できます。
●圃場の状態や生育状況に合わせた培土ができます。
■主要諸元
型式: DC301
適応トラクタ(PS):30 ~ 53
寸法(㎜):全長1400× 全幅1890× 全高1050
標準耕幅(㎝):25(畦幅60)~ 44(畦幅85)
標準耕深(㎝):3 ~ 5
適応畦幅(㎝):60 ~ 85

生育期除草剤散布
万能散布バー
(株)北海道糖業株式会社

●ソリ型バーにより、圃場条件に左右されず散布位置を一定に保ちます。
●生育時期の作物の大きさに合わせ噴霧位置の高さや角度を容易に変えることができ、的確にうね間・株間に散布できます。
●ゴム製ベルトによりうね幅の変更・調整が簡単にできます。



大豆300Aレポート バックナンバー
#01 【大豆300Aレポート】連載開始!
#02 【大豆300AレポートNo.1(前編)】徹底的な排水対策で単収300kgを目指す!
#03 【大豆300AレポートNo.1(後編)】排水性を大きく向上させる「地表排水」と「地下排水」
#04 【大豆300AレポートNo.2(前編)】継続した土づくりで、地力改善!
#05 【大豆300AレポートNo.2(後編)】大豆多収のための土づくりのポイント
#06 【大豆300AレポートNo.3(前編)】耕うん同時うね立て播種で重粘土壌を克服!
#07 【大豆300AレポートNo.3(中編)】ほ場条件ごとにオススメの播種法と機械を図解!
#08 【大豆300AレポートNo.3(後編)】ほ場条件ごとにオススメの播種法と機械を図解!


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