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大豆300Aレポート#11

適期に適切な管理を行うことがポイント

〜【大豆300AレポートNo.5(前編)】摘心とかん水で増収を狙う!〜

【大豆300AレポートNo.5(前編)】摘心とかん水で増収を狙う!

莢数を増やし倒伏防止につながる「摘心」。また、増収に効果的な開花期の「かん水」。 高温で少雨の年には、「かん水」は増収のために有効です。 今回は高品質・増収に大きく関わる「摘心」と「かん水」をご紹介します。(動画はこちら
(この記事は、平成27年7月21日発行のクボタの営農ソリューション『大豆300AレポートNo.5』を元に構成しています)

増収を目的に摘心を行う

 前田さんは大豆の草丈が著しく伸び始める開花前に狭畦栽培を行った圃場で、摘心作業を行いました。「摘心の目的は増収を狙ってのことです。摘心とは大豆の頂芽を摘むことで、それによって主茎の伸びを止めて、分枝の生長を促進させます。その生長した分枝に莢が多く付くようになるので、増収につながります。摘心は今年で4年目ですね。北陸近畿クボタの提案で興味本位ではじめたのがきっかけなのですが、やってみるとそれまでと莢付きがまったく違って、去年は一莢当り4粒もある莢もありましたよ」と、効果を実感される前田さん。取組み2年目には摘心が乗用管理機で行える機械も導入しました。
 「摘心する時期ですが、今年、1枚の圃場で5葉期ごろに実験的に摘心しました。葉が少なくなりほとんど茎だけの状態になったので心配していたのですが、その後生育を盛り返しましたね。他の圃場は7、8葉期ぐらいで摘心しましたが、莢付きも良く、その分についてはその時期が良いのかなという感じですね」。

富山県を含む北陸地方が梅雨明けしたと発表された7月21日。この日、「増収」と「倒伏防止」を目的に狭畦栽培を行った圃場で摘心作業が行われました。当初、実証圃場(慣行栽培)においても摘心する予定でしたが、生育状況を松永顧問とも確認して、今後倒伏するまでに草丈が伸長しないと判断したことから、実証圃場の摘心は行わないことになりました。

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倒伏しやすい狭畦栽培は摘心することで問題を解決

条間を狭くするため播種密度が多く、株が伸びやすいということに加え、培土作業を省略することから倒伏しやすくなる狭畦栽培ですが、この問題を解決するため前田さんは、摘心をしています。「皆さん倒伏を心配されるのですが、私は伸びれば切れば良いという考えで、摘心を行い倒れづらい草丈に生育制御することで解決を図っています」。摘心を行うことで、株全体の受光量が増えて徒長が抑えられ、それぞれの分枝が株の中心方向へ伸びようとするため、倒れづらい草型になります。「摘心は狭畦栽培にとって必要です」と、摘心の重要性を話されます。
 7月の平均気温が平年に比べ高く、降水量においても平年に比べ少なかった富山県。晴天の日が続き圃場が乾燥した状態であったことから、前田さんは土壌水分を適度に保つために、こまめなかん水を行いました。

干ばつを防ぎ大豆の生育を良くするためかん水を実施

 大豆は開花期ごろから約1ヶ月間に、大量の水を必要とします。大豆の開花期から莢形成期にあたる7月から8月にかけては、高温で晴天の日が続きやすく、この時期に干ばつにあうと落花や落莢が多くなり収量が低下するだけでなく、小粒化につながります。それを防ぐために、開花期のかん水は増収に効果的です。前田さんも干ばつ対策として、全ての圃場において本暗きょの詮を閉め土壌に水を蓄え、1回ずつかん水を実施。生育状況や圃場の状態を見て、乾燥し水が必要な圃場についてはさらにもう1回、かん水を行いました。
 「実証圃場においては5回のかん水を行いましたね。最初、乾燥気味で生育が良くないということで松永顧問とも相談し、4葉期ぐらいで水を入れました。その後、また圃場が乾き過ぎましたので、8葉期頃に1回。それから開花時期近くに1回。その後晴天が続きましたので、さらに2回水を入れました。狭畦栽培については、雑草の問題があることから、かん水はしていません。その代わりに、慣行の圃場より早めに暗きょ栓を閉じました。水を入れない代わりに、水を逃さないという考えでそうしました」。
 かん水の目安は、「大豆の葉が裏返ってきたら水を入れます。いつもと様子が違うなと、見れば分かりますので、その時にすぐに水を入れて水分補給をします。また、葉を触ってみて冷たいようなら水がありますし、逆に冷たくなく乾いた状態なら、大豆が水を欲しがっているので、適度に水分をやって大豆が熱中症にかからないようにすることが必要ですね」と、かん水のポイントを話されます。

カットドレーンは、かん水にも有効

 「かん水は用水から水を入れて額縁明きょに水を通して、うね間かん水を行います。これまで弾丸暗きょを利用した地下潅漑を行っていたのですが、圃場全体に水が行き渡り、うねの間に水が溜まるのに大体2~3日は掛かりました。しかし、今年カットドレーンを入れた圃場では、一晩で水が入りました。ということは、カットドレーンの孔がまだしっかり残っていて、そこに水がスムーズに流れ、その水がうね間まで上がってきたのではないかと思います。カットドレーンは、弾丸暗きょと比べ水のまわりが早いですね」と、話される前田さん。
 排水対策のため施工したカットドレーンが、かん水にも効果を示しています。

使用機械

乗用管理機
フルキャビンハイクリブーム
(株)丸山製作所

●旋回しやすくロスが少ないよう4WS機構を搭載。
●ディーゼルエンジン搭載でガソリンに比べ経費節減。

■主要諸元
型式:BSA-650CE
寸法(㎜): 全長4120× 全幅2150× 全高2560
エンジン出力kW{PS}:15.4{20.9}

大豆摘芯機
フルキャビンハイクリブーム
(株)丸山製作所

●エンジン下部のファンのエアーで刈り取った葉をうね間に飛ばします。

■主要諸元
型式:EVDA-2400
刈取部:レシプロ式刈取機×2
エンジン排気量(cm3):22.5
刈取高さ(㎜):200 ~ 1000(無段可変)

刈幅(㎜):2400 ~ 2900(4 条)
※BSA650/950 専用オプション。G-5・G-6 仕様には取付け負荷



大豆300Aレポート バックナンバー
#01 【大豆300Aレポート】連載開始!
#02 【大豆300AレポートNo.1(前編)】徹底的な排水対策で単収300kgを目指す!
#03 【大豆300AレポートNo.1(後編)】排水性を大きく向上させる「地表排水」と「地下排水」
#04 【大豆300AレポートNo.2(前編)】継続した土づくりで、地力改善!
#05 【大豆300AレポートNo.2(後編)】大豆多収のための土づくりのポイント
#06 【大豆300AレポートNo.3(前編)】耕うん同時うね立て播種で重粘土壌を克服!
#07 【大豆300AレポートNo.3(中編)】ほ場条件ごとにオススメの播種法と機械を図解!
#08 【大豆300AレポートNo.3(後編)】圃場条件・目的に合わせた播種のポイント
#09 【大豆300AレポートNo.4(前編)】適期除草がポイント!雑草に勝てば、必然的に収益につながる
#10 【大豆300AレポートNo.4(後編)】高品質・多収栽培を実現するための雑草対策のポイントについて

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