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大豆300Aレポート#08

技術顧問によるワンポイントアドバイス

〜【大豆300AレポートNo.3(後編)】圃場条件・目的に合わせた播種のポイント〜

【大豆300AレポートNo.3(後編)】圃場条件・目的に合わせた播種のポイント

大豆の種子の消毒、耕うん同時うねたて播種、深層施肥播種、狭畔栽培の播種、それぞれのポイントをクボタの松永亮一技術顧問が解説します。
) (この記事は、平成27年5月27日発行のクボタの営農ソリューション『大豆300AレポートNo.3』を元に構成しています) 動画はこちらから

クボタ技術顧問が動画でワンポイントアドバイス!→解説動画はこちらから

種子選択 消毒のポイント

 種子は、品質が保証された種子を購入することが最も理想です。種子消毒は、苗立ちの確保と良好な初期生育を確保するために行います。重粘土壌や雨が多い年、また少ない年は、出芽までに余計な日数が掛かるためその間、土壌中で種子が細菌やカビに侵されることがあります。前田さんはクルーザーMAXX という殺虫殺菌剤を使用していますが、クルーザーMAXX は立枯病を起こしたり、種子を腐らせたりするカビ等の病原菌から守ってくれます。また、初期に発生するアブラムシ類、タネバエ、フタスジヒメハムシのような害虫に対しても効果があるので播種前に粉衣し、良好な苗立ちを確保します。

播種のポイント

 今年のように雨が少なく乾燥が続く時期に播種をする場合には、深めに播種します。天気予報で播種前後1 週間の天候が分かるので、予報を見ながら播種深土を調節することが大切です。基本は3cm の深さに播種しますが、雨が期待できない時には播種深さを5cm にして、深めに播種します。これは、乾いたところに種を置いても出芽しないためです。逆に大雨が降る、あるいは雨が続くことが予想されるのであれば、播種の深さを2 ~ 3cm にして、浅めに播種します。


耕うん同時うね立て播種について

 アップカットロータリによる耕うん同時うね立て播種は、重粘土壌地帯の北陸地方で開発されました。大豆の播種の場合、砕土率が低いと出芽・苗立ちが非常に悪くなるのですが、60 ~ 70%の砕土率(2cm 以下の土塊の割合)を確保できれば、出芽の妨げにはなりません。アップカットロータリは、爪を反転させることで重粘土壌であっても目標とする高い砕土率を確保できるため出芽が良好になり、増収を図るためには非常に有利な技術です。

 また、耕うんと同時にうねを立てるので、播種直後に大雨が降った場合でも種子のある箇所まで水がこないので、湿害にあいにくくなります。またこの時、冠水すると酸素不足に陥ることがあるので、うね立てを行うことで酸素不足にさせないことが重要です。
 さらに1 回で耕うんと播種が同時に行えるため、重粘地帯が主体の北陸地方や東北地方の一部の地域のみならず、麦を収穫して大豆を播種するまで1 ヶ月もないような西南暖地の麦・大豆地帯で播種する方にもおすすめの播種技術です。

 ただし、播種前に非選択性除草剤で大きくなった雑草を枯らせておくことが重要です。


深層施肥播種について

 水田を畑地化することで、有機物の分解が促進され地力が低下し、収量が減少することが分かってきました。本体なら前田さんのように有機物等を施用して地力を維持すれば良いのですが、なかなかできていないというのが現実です。地力窒素低下に対応した技術として、深層施肥播種技術が生まれました。
 深層施肥では緩効性窒素肥料を深い位置に置くことによって肥効が安定し、また長く維持でき、窒素の要求量が増える生育中後期に効かせることができる施肥技術です。さらに、根粒菌による窒素固定を大きく抑制することがなく、根をより深く伸長させることができます。昨年の東日本を中心とした実証例では、深層施肥の効果が表れた例が数多くありました。
 表層に与える元肥量は基本的に慣行と同じです。初期生育においては、ある程度の窒素が必要ですが、窒素過多になると莢付きが悪くなったり、雑草だけ大きくなったりするので注意します。これまでの実証から効果が出るのは反当たり6kg ~ 8kg で、それ以上はわずかに収量が上がるかもしれませんが、肥料代の兼ね合いから見ると最大で8kg と言われています。よく使われている窒素肥料は石灰窒素です。ただし価格が高いので、確実な肥効効果が表れる条件で実施します。


深層施肥播種の作業のポイント

作業のポイントとして、

①排水対策の実施
②耕盤を破砕し作土層を拡げ、根圏の拡大を促進
③播種に適した砕土率の確保

根がなかなか伸びず効果が劣るため、耕盤を破砕し、作土層は浅くても20cm は確保して、根が深く伸びるような環境をつくる必要があります。さらに、播種に必要な砕土率を確保するため必ず播種前に耕うんを行い、重粘な土壌では砕土性に優れたアップカットロータリを使用することで効果が期待できると思います。
 また、黒根腐れ病等の立ち枯れ病の発生圃場のように根が健全に育っていなかったりした圃場では、施肥の効果が期待できないということに留意して取り組みます。
 地力が高い圃場、土づくりをしっかり行っている圃場では、深層施肥播種を行う必要はありません。地力低下が進んでいる、土づくりが思うように進んでないために、生育が十分確保できないような圃場において、地力を補完する意味で深層施肥播種技術はおすすめです。


狭畦栽培の播種時のポイント

 大豆が圃場を覆うようになるまでの日数を早めることで、大豆自身が持つ抑草力を使って雑草を抑える狭畦栽培では、良好な苗立ちを確保できる播種作業が重要なポイントになります。出芽しない箇所があると、そこから雑草が生えてくるため、その後の管理作業に大きく影響を及ぼし、低収や低品質となるケースが少なからず見受けられます。
 このため必ず排水対策を行い、できるだけ勢いのある揃った出芽・苗立ちを確保することが重要です。


良好な出芽・苗立ちを確保するための対策

●乾燥が続くような年
①土壌がしっかり湿るまでの降雨を待ち播種する
②4 ~5㎝覆土の深播き後、鎮圧をかける

●湿害が懸念されるような年
①排水対策を行い、うね立てを実施
②2 ~ 3cm 覆土の浅播き



大豆300Aレポート バックナンバー
#01 【大豆300Aレポート】連載開始!
#02 【大豆300AレポートNo.1(前編)】徹底的な排水対策で単収300kgを目指す!
#03 【大豆300AレポートNo.1(後編)】排水性を大きく向上させる「地表排水」と「地下排水」
#04 【大豆300AレポートNo.2(前編)】継続した土づくりで、地力改善!
#05 【大豆300AレポートNo.2(後編)】大豆多収のための土づくりのポイント
#06 【大豆300AレポートNo.3(前編)】耕うん同時うね立て播種で重粘土壌を克服!
#07 【大豆300AレポートNo.3(中編)】ほ場条件ごとにオススメの播種法と機械を図解!


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