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大豆300Aレポート#15

適期収穫で高品質を確保し、商品価値の高い大豆を出荷!

〜【大豆300AレポートNo.7(前編)】2015年はまれに見る大豊作の年!300kgを超えた圃場がたくさん〜

【大豆300AレポートNo.7(前編)】2015年はまれに見る大豊作の年!300kgを超えた圃場がたくさん

2015年の大豆作業を密着取材していた富山県の前田さんの圃場。2015年10月26日に、待望の収穫作業が行われました。
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(この記事は、平成27年10月26日発行のクボタの営農ソリューション『大豆300AレポートNo.7』を元に構成しています)

ボリュームのある大豆でも詰まることなく、汚損粒もない!

 高品質を確保し等級を上げるためには適期を見極め、いかに能率よく刈るかが課題です。早刈りは茎の水分などで汚損が発生しやすいだけでなく、子実が軟らかいため損傷粒が生じやすくなります。また、大豆は収穫適期が短いうえに、北陸では晩秋のしぐれる時期と重なる年もあり、刈れる時期に一度に効率よく刈らなければ、品質低下につながります。前田さんは、クボタ普通形コンバインWRH1000で収穫することで、この課題を解決されています。
 「適期に刈ることが、収穫のポイントです。莢を振るとカラカラ音がして、子実水分で言うと17%、18%ぐらい。でもWRH1000は子実水分が多少、高くても刈れます」と、話される前田さん。脱こく部がバータイプのWRH1000は、これまでのドラムタイプの脱こく部と比べ、脱こく空間が広く、大豆の茎と子実が揉まれることが少なくなったため、汚粒がほとんど発生しません。

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 「WRH1000で刈るようになってから、作業できる時間が長くなりましたね。夕方4時ぐらいになると、大豆が湿っぽくなるのですが、詰まることなく刈れますし、明日雨が降るという時などは朝8時から刈りますが、それでも十分刈れます。汚れないし、きれいな大豆が収穫できますよ」と、その処理能力に満足されています。また、大面積を限られた時期に収穫しないといけない前田さんにとって、能率よく刈れるコンバインは必須と言われます。「これまで2条刈り普通形コンバインで刈っていたのですが、それが2台あってもWRH1000ほどの仕事にはならないと思います。圃場への出入りも含め4反半で1時間もかかりませんから、早いですよ。今年は強風が吹いて葉が落ちた影響で、青立ち株※が多かったのですが、それでも詰まることなく、刈れましたからね。WRH1000に乗るようになってから、脱こく部が詰まって作業が止まったことがありません。作業速度も速いし、選別もきれいですし、ものすごく気に入っていますね」と、話される前田さん。高品質な大豆を効率よく収穫できるWRH1000は、前田さんの取組みにおいてなくてはならない機械となっています

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 今回、前田さんはKSAS(クボタスマートアグリシステム)とリンクする無線LANユニットを搭載した実演機、WRH1000Cで刈取りを行いました。「WRH1000Cについては、食味・収量測定機能搭載コンバインのように、水分量が分かると良いですね。水分量は圃場へ行ってから測ることが多いので、刈りながら今どれぐらいの水分量があるのか分かれば、これだとちょっと高いから刈るのをやめておこうかなど、判断できます。水分が多いと汚粒につながりますからね。それと重量が分かれば、収量の予想の1つの目安になるので、良いですよね」。

※成熟~収穫期になっても茎が緑色を呈し、葉柄や葉が残る青立ち株は、コンバイン収穫時に茎葉の水分が脱こく部で子実粒を汚す汚損粒の発生原因になる

自分で乾燥・調製した方が経営的に有利

 「自分が作ったものは、最後まで自分がする。それが私のポリシーなので、大豆をつくり始めたときから、自分の施設で乾燥・調製をしています。選別も色彩選別機にかけて、きれいな大・中粒だけ選んで出荷して、あとに残った大豆も、買い取ってもらいます。大豆というのは、腐っているものはだめですが、何も捨てるところがないのです。変形粒も醤油や味噌、豆腐などといったものになり、全てお金になります。ですから、自分で乾燥・調製を行ったほうが得です。商品にならなければ、肥料として田んぼに撒くと、良い肥料になりますからね」と、話される前田さん。自ら乾燥・調製まで手掛けることで、少しでも収益を上げる工夫をされています。

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今年は非常に良い出来!

 「今年(2015年)の大豆の出来は非常に良いです!生育後半、天気が良かったので、それが一番影響しているように思います。豆もきれいですし、大粒が多い。くずもほとんどないですよ。去年の収量の平均は10aあたり190kgか200kgだったのですが、今年はそれをはるかに上回る収量です。狭畦栽培の圃場では、おそらく慣行栽培と比べ、2~3割多いと思います。300kgはあると思いますよ」。
 また、2015年の課題だった雑草については、「例年より少なく、去年のように収穫作業の邪魔になるようなものではありませんでした。雑草があると汚損粒の原因になりますから、雑草を取るために機械を止めて抜かなくてはいけません。収穫作業の前に圃場をチェックしているのですが、回りきれず、収穫中に抜くこともあって、作業が遅れる原因となっていました。今年(2015年)は松永顧問から適宜アドバイスをもらったので、雑草を抑えることができ、雑草を取るための余計な人件費も掛からずに済みました」。
 7月21日に行った摘心については、「効果はありましたね。今年後半、天候が良すぎて草丈がグッと伸びました。しかも強い風が吹いたため、摘心していない圃場では、倒伏した箇所もありましたが、摘心した圃場については、ほとんど倒伏していませんでしたね。摘心することによって、倒伏防止はもちろん、収量アップについても効果があったと考えています」。

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今年一年を振り返って分かったこと

 一年を振り返り、新たに分かったこともあったと言う前田さん。「カットドレーンを使って排水対策をしましたが、とにかく、排水が良くなればいいかなということで、細かく入れ過ぎましたね。弾丸暗きょを入れる感覚で5~6mごとに一本ずつ施工した圃場では、乾燥し過ぎました。去年、カットドレーンを入れた水稲圃場では、効果が大きすぎて、孔が埋まらないままでした。耕うんした時や田植えをした時は、特に問題なかったのですが、乗用型の防除機はタイヤが細いので作業中、タイヤがその孔にはまってしまいました。カットドレーンは、真っ直ぐにいれず、V字に斜めにいれないといけないなと、いうことが分かりましたね」。
 また、新しい施肥技術にもトライされた前田さん。「小うね立て深層施肥播種については、深層施肥を入れただけの効が出ませんでした。雨が少ない時期に耕うんして畦を立てたために、圃場が乾燥気味になり、発芽不良になったのではないかなと思います」。
 収穫作業の効率化を図るため取り組んでおられる狭畦播種については、「順調なところもありますが、万能散布バーの導入が少し遅れたことで、草に悩まされている圃場もあります。慣行栽培と同じように適期に除草剤の散布ができれば、きれいに雑草がなくなりますので、やはり適期に散布するということは大きなポイントです」

売れる大豆づくりで経営の安定化を図る

 前田さんは、青大豆のあやみどりを契約栽培で作っています。「やはり市場にないものは欲しがられますよね。富山県であやみどりを扱っている業者があるのですが、富山県ではあやみどりが作付けされていなかったため、東北地方から取り寄せていたそうです。そこで、地産地消を図りたい業者と、契約栽培で経営の安定を図りたい私とで、お互いの意見が一致し、あやみどりを作付けしています。買ってくれる業者に加工性なり色んな試験をしてもらって、やっと今、軌道に乗り、来年からかなり面積が増えると思います。そうなると、うちだけでできるような面積ではないので、どんどん仲間を広げたいですね。自分だけが儲かるのではなくて、やっぱりみんな一緒に儲からないと。それが確実に供給の安定につながりますからね」と、大豆づくりに意欲的を見せる前田さん。
 「大豆300Aということで、Aクラス(1等・2等)は叶わなかったのですが、収量については達成できました。これで安心しているわけではないのですが、自分の中では手ごたえを感じています。大豆については、これからどれぐらい獲れるのか未知数です。努力次第で400kgも狙えるかもしれませんし、どんどん収量が上がってくれば、それに合わせて収入も上がりますからね」と、話される前田さん。今や経営安定の柱として大豆は、欠かせないものとなっています。

使用機械

収穫
普通形コンバイン
(株)クボタ

●KSAS(クボタスマートアグリシステム)とリンクする無線LAN ユニットを搭載。
●大容量2000L グレンタンクを搭載。バイブロ シャッタで湿ったこく粒もスムーズに排出可能。

■主要諸元
型式:WRH1000C
エンジン出力・回転速度:74.3kW{101PS/2600rpm
刈幅( デバイダ先端間隔):2080 ㎜

乾燥
汎用型 遠赤乾燥機 ハイパー乾燥Windy
(株)山本製作所

●「湿度センサ」搭載。湿度に敏感な大豆乾燥を自動制御、より安定した乾燥を実現。しわ粒、裂皮などを防止。
●インバータ制御によって大豆の損傷を防止。

■主要諸元
型式: HD-70DM(70 石)
張込能力:13t/h(大豆)
排出能力:11t/h(大豆)

調製
汎用穀物色彩選別機 カラレックス
(株)山本製作所

●2 台の高精度CCD ラインセンサカメラの採用とエアエジェクタ方式で、より早く、より確実に選別。

■主要諸元
型式: CLX-502DM
処理能力:500kg/h(大豆:標準不良混入率3%時)
検出方式:ラインセンサカメラ2 台
不良品排除方式:エアエジェクタ方式



大豆300Aレポート バックナンバー
#01 【大豆300Aレポート】連載開始!
#02 【大豆300AレポートNo.1(前編)】徹底的な排水対策で単収300kgを目指す!
#03 【大豆300AレポートNo.1(後編)】排水性を大きく向上させる「地表排水」と「地下排水」
#04 【大豆300AレポートNo.2(前編)】継続した土づくりで、地力改善!
#05 【大豆300AレポートNo.2(後編)】大豆多収のための土づくりのポイント
#06 【大豆300AレポートNo.3(前編)】耕うん同時うね立て播種で重粘土壌を克服!
#07 【大豆300AレポートNo.3(中編)】ほ場条件ごとにオススメの播種法と機械を図解!
#08 【大豆300AレポートNo.3(後編)】圃場条件・目的に合わせた播種のポイント
#09 【大豆300AレポートNo.4(前編)】適期除草がポイント!雑草に勝てば、必然的に収益につながる
#10 【大豆300AレポートNo.4(後編)】高品質・多収栽培を実現するための雑草対策のポイントについて
#11 【大豆300AレポートNo.5(前編)】摘心とかん水で増収を狙う!
#12 【大豆300AレポートNo.5(後編)】高品質・増収のための「摘心」・「かん水」のポイントについて
#13 【大豆300AレポートNo.6(前編)】莢付きの良い大豆に手ごたえを感じています!
#14 【大豆300AレポートNo.6(後編)】病害虫防除のポイントと生育について

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