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野菜栽培のための水田利用技術と畑地での安定生産#04

全国農業システム化研究会 現地実証調査

〜地域一体で取り組むたまねぎの機械化一貫体系〜

地域一体で取り組むたまねぎの機械化一貫体系

平成26年度、27年度の2年間にわたり、宮城県大崎農業改良普及センターでは、全国農業システム化研究会の現地実証調査として「業務用たまねぎの機械化による省力生産技術」を実証。この現地実証によって、従来、播種と移植しか機械化が進んでいなかったたまねぎ栽培が、播種から収穫、さらに調製・選別、乾燥に至るまで機械化一貫体系が確立。衰退していた産地が復活を遂げています。
(この記事は、平成28年6月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.33』を元に構成しています)

機械化一貫体系による省力生産技術を現地実証

 JA加美よつばで、たまねぎ栽培の推進を図る園芸課の中舘さんは、「加美町は、隣接する色麻町とともにたまねぎ栽培が盛んで、30年にもなる産地なのですが、生産者の高齢化によって、多いときには10haあった面積も近年4haまでに減少していました。たまねぎは実需者から需要の高い品目なので、産地を復活させるためにも機械化に取り組み、面積を増やしていこうと、普及センターとクボタに相談、一緒になって、全国農業システム化研究会の実証に取り組んだのです」と語ります。実証調査に取り組んだ大崎農業改良普及センターの松谷さんは、「たまねぎ栽培において、新規作付者の定着や規模拡大を阻んでいる主な原因は、移植や除草、収穫・調製作業の労働負荷が大きいことです。この部分を機械化することで、作業時間が大幅に短縮、軽労化され、効率的なたまねぎの生産が可能になります」と説明します。
平成27年に実施された現地実証では、
1. 除草機やマルチを利用した効 果的な除草体系の構築
2. 手作業に頼っていた収穫・調製作業の機械化
についての実演会を開催。地域に適した機械化一貫体系の確立を目指しました。
 同普及センターの小野寺さんは、「現地実証において、実際に動いている機械を、今後使用する生産者の方たちが見ることで、自身の作業に置き換えて検討できたのは大きな成果だったと思います。この実演会を開催できたことが機械化の推進に弾みをつけました」と語ります。

機械はJAが購入し、生産者にレンタル

 JA加美よつばでは、この機械化一貫体系の実証に合わせ、たまねぎ栽培に必要な機械を導入。生産者が機械をレンタルで使用できる仕組みを作りました。営農販売部の佐藤さんは、「個々の農家で機械を購入することは大変です。そこで機械化を推進するため、必要な機械は、JAが一括購入し、農家から利用料をいただいて提供します。生産者は、移植、収穫、調製・選別の作業の中で、必要な機械だけを活用できます」。特に時間のかかる調製作業においては、根切・葉切〜磨き〜選別が一工程で行える調製・選別機を5セット装備。集落内での作業が可能となり、生産者に喜ばれています。  さらに、「JAの自己資金で昨年、乾燥施設を新たにつくりました。収穫されたたまねぎは、各生産者がビニールハウスなどで自然乾燥していましたが、これは非常に手間がかかる作業です。収穫等の機械化と同時にこの部分も改善できないかと考えたのです」と佐藤さん。JAの米倉庫を有効利用し乾燥施設を整備することで、乾燥作業の省力化を図りました。この乾燥施設も好評で、昨年の稼動実績が55t、今年度は100tの利用が見込まれ、新規作付者の増加にもつながっています。

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産地の完全復活を目指し実証を継続証

 地域一体となった今回のたまねぎ栽培の機械化一貫体系の取組みにより、JA加美よつば管内の平成28年度のたまねぎ作付面積は、約7haにまで拡大。産地として以前の勢いを取り戻そうとしています。
 普及センターとして、今後の取組みについて小野寺さんは、「研究会としての実証は終わりましたが、課題として残った育苗と防除について改善するため、さらにもう2年、たまねぎ栽培の機械化について、継続して検討していく予定です。また、各地の視察で得た情報を基に、生産者の方の関心が高い春播きたまねぎにも挑戦していきます」とすでに次のステージを見据えています。
 中舘さんは、「これからも生産者の支援に力を注ぐとともに、今後の拡大を見越して、貯蔵施設の建設と販路の確保を検討しています。機械化一貫体系が進むことで、生産者のみなさんが、1年でも長く農業を続けていけるように、これからもがんばっていきたい」と意気込みを語ります。JA、普及センター、生産者、そして機械メーカーが力を合わせて取り組むたまねぎ栽培の機械化。産地の完全復活を目指す挑戦はこれからも続きます。

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