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大豆300Aレポート#20

技術顧問によるワンポイントアドバイス・評価

〜【大豆300AレポートNo.9(後編)】万能散布バーによる生育期のうね間・株間除草のメリットと作業のポイント〜

【大豆300AレポートNo.9(後編)】万能散布バーによる生育期のうね間・株間除草のメリットと作業のポイント

大豆の収量向上の鍵となる除草対策。生育期の除草対策のポイントと万能散布バーの除草効果について、クボタの松永亮一技術顧問がポイントを解説します。
(この記事は、平成28年8月22日発行のクボタの営農ソリューション『大豆300Aレポート9月号』を元に構成しています)
動画はこちらから

播種前と播種時に散布した除草剤の効果について

 7月4日に一発耕うん同時播種機のトリプルエコロジーで播種しましたが、出芽・苗立ちが非常に良好で欠株も少なく、順調に生育しています。
 雑草については、播種前にラウンドアップマックスロードを散布した実証区1の圃場では、散布しなかった他の区と比べて、雑草の発生量が少なく、除草効果は確認できたと思います。(8月4日現在)ただ、今回実証した圃場は、水稲-麦作後の圃場でしたので、予想したほど雑草が多くなく、播種後の除草だけでも防除がほぼ可能でした。播種前の除草剤散布は、連作等で雑草の発生が多い圃場、播種後の除草作業が遅れ気味となり易い生産者の皆さんにお薦めです。

 また、それぞれの区で播種時にクリアターン細粒剤Fを土壌処理剤として散布しましたが、イネ科の雑草が多く見られたので、効きが少し足りなかったのかもしれません。(8月4日現在)土壌処理剤の効果が高ければ今回、もう少しラクに作業ができたと思います。

生育期の除草対策のポイントは株間・株元の除草

 今回、生育期の除草対策として、万能散布バーで茎葉処理剤のバスタ液剤を散布しました。バスタ液剤は、非選択性の除草剤で広葉雑草にもイネ科雑草にも良く効く除草剤で、しかも、うね間だけでなく株間散布ができます。うね間の雑草は中耕・培土できれいに取ることが可能ですが、株間、株元の雑草は生き残ってしまうことがよく見られます。非選択性除草剤のうね間・株間散布は大豆下位葉での薬害が避けられませんが、雑草が蔓延し、手取り除草に手を焼いておられる地域では検討すべき技術です。今回のようにうね間30㎝の狭畦栽培では、中耕・培土ができないため、播種後に生えてきた雑草を枯らすためには、非選択性の除草剤を使って除草する方法が確実です。ただし、うね間・株間散布の登録が取れている非選択性除草剤は限られていますので、事前に確認してから使用して下さい。

 生育期の除草対策のもう一つの方法として、2葉期以降に大豆バサグランとポルトフロアブルのようなイネ科用の除草剤をタンクミックスして全面散布する方法があります。ブームスプレーヤーで散布しますので、非常に効率的です。難防除のホウズキ類等が少ない圃場では、お薦めの除草法です。いずれにせよ、雑草の生える種類と量に合わせて、迅速に除草剤散布の時期と薬剤を決定していくことが重要です。

万能散布バーの除草効果について

 今回は、うね間まで大豆が覆っており、地面が見えない状態で散布しました。万能散布バーの除草効果を効率的に散布するためには、もう少し早い時期が良かったのと思います。

 8月4日に除草剤を散布してから、約2週間後の8月22日に効果を確認しました。慣行区では、大豆よりも大きくなった雑草が多く、ヒエ、アオビユ、次いでアメリカセンダングサが目に付くようになっていました。また、難防除雑草であるホオズキ類も確認できました。

 万能散布バーでバスタ液剤を散布しなかった実証区1-2の圃場では、慣行区よりも少ないものの大豆より高く伸びた雑草が確認でき、群落内部を見るとかなり雑草が残っていました。

 万能散布バーで除草した実証区1-1と実証区2の圃場では、うね間、株間の雑草がほとんど枯れて、大豆よりも草丈の高い雑草はほとんどなく、万能散布バーによる除草効果は明らかです。除草した後に、新たな雑草が芽生え始めていますが、それらについては既に大豆が大きくなって地表面を覆っているので、これから大きくなることはなく、大豆の生育を妨げたり、収穫時に邪魔になったりすることはありません。

 

万能散布バーで作業を行う場合の注意点

 今回使用したブームスプレーヤーのトレッド幅は150cmでしたが、タイヤが大豆を踏まないよう、うね間を30cmに設定する必要がありました。また、狭畦栽培では大豆が早くうね間を覆うようになります。万能散布バーではソリ式バーを地面に滑らせて散布するため、大豆の葉が圃場全面を覆ってうね間が閉じると、オペレーターが作業しづらくなります。今回の万能散布バーで除草を行った日は、既に大豆の葉がうね間を覆っており、条の上をバーが走ったため、薬害が出てしまった箇所がありました。散布時期は大豆の葉がうね間を覆う直前が最適期です。

 非選択性の除草剤をうね間、株間に散布する場合、大豆の頭から除草剤がかかると、大豆は枯れてしまいます。今回、初生葉節まで除草剤がかかるよう散布高さを調整していましたが、第1本葉節位まで散布して、下位分枝が枯れてしまっている大豆がありました。散布時期がもう少し早ければ、精度良く散布できたと思います。

 また、圃場の枕地付近で薬害が大きい箇所が目に付きました。枕地の大豆を踏み倒しながら、旋回するので、作業の精度が下がったようです。旋回前に必ず散布を止めること、旋回後そり式バーをしっかり下ろしてから散布を再開することが大切です。

今後の雑草対策について

 開花が終わり、莢が着きはじめる時期(8月22日現在)ですが、これ以降は手取り除草が主体となります。除草の対象は、大豆よりも草丈が高くなった雑草です。手取り除草以外の方法として、パクパクを使用して高濃度の除草剤を雑草に直接塗布する方法、落葉終期にラウンドアップを全面散布する方法があります。後者は、雑草が成熟しており、種子を圃場に落としてしまうので、あまりお薦めできる技術ではありません。



大豆300Aレポート バックナンバー
#01 【大豆300Aレポート】連載開始!
#02 【大豆300AレポートNo.1(前編)】徹底的な排水対策で単収300kgを目指す!
#03 【大豆300AレポートNo.1(後編)】排水性を大きく向上させる「地表排水」と「地下排水」
#04 【大豆300AレポートNo.2(前編)】継続した土づくりで、地力改善!
#05 【大豆300AレポートNo.2(後編)】大豆多収のための土づくりのポイント
#06 【大豆300AレポートNo.3(前編)】耕うん同時うね立て播種で重粘土壌を克服!
#07 【大豆300AレポートNo.3(中編)】ほ場条件ごとにオススメの播種法と機械を図解!
#08 【大豆300AレポートNo.3(後編)】圃場条件・目的に合わせた播種のポイント
#09 【大豆300AレポートNo.4(前編)】適期除草がポイント!雑草に勝てば、必然的に収益につながる
#10 【大豆300AレポートNo.4(後編)】高品質・多収栽培を実現するための雑草対策のポイントについて
#11 【大豆300AレポートNo.5(前編)】摘心とかん水で増収を狙う!
#12 【大豆300AレポートNo.5(後編)】高品質・増収のための「摘心」・「かん水」のポイントについて
#13 【大豆300AレポートNo.6(前編)】莢付きの良い大豆に手ごたえを感じています!
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