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省力化と新技術による高品質な梨の生産・直販

〜近隣農家に目標とされる果樹専業経営〜

近隣農家に目標とされる果樹専業経営

穏やかな気候のもと、水利条件にも恵まれ、米、野菜から園芸、畜産に至るまで様々な農作物が生産されている愛知県中部の西三河地域。刈谷市で、梨とももの果樹専業で経営されている久野果樹園は、栽培のみならず直売所もご自身で経営。ご本人は謙遜されますが「行列のできる」直売所は、近隣の果樹農家様の目標にもなっています。
(この記事は、平成27年11月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.32』を元に構成しています)

収穫した梨のほとんどを直売所で販売

 久野果樹園は、現在経営を担っている徹さんで3代目。祖父の代からの果樹専業農家です。経営は、お父さま・お母さまと常勤雇用1名の家族経営。刈谷市と豊田市の園地で5品種を栽培し、収穫した梨のほとんどを直売されています。朝11時、直売所を開店すると、もうお客さまが並んで待っておられるそう。ご自宅用に買い求めに来られたり、贈答用として直売所から発送されたり、様々なお客さまがたえず訪れます。「毎年必ず来てくださる」という固定客も多数とのこと。お客さまに暑中見舞いで毎年のご案内をお送りするなど、きめ細やかな心遣いもさることながら、行列ができる理由は、やはり、お客さまに喜ばれる梨のおいしさにあります。

需要の最盛期に高品質を実現する工夫

 お客さまに喜ばれる久野さんの梨づくり。こだわりのひとつが、幸水の栽培でジベレリン処理を行わないことです。幸水は、この辺りでは毎年お盆の頃に需要の最盛期を迎えますが、熟期の促進効果があるジベレリン処理を行わないと、なかなかこの辺りではこの時期に市場に出まわりません。
しかし久野さんは、「もっと日持ちをよく、味も肉質もしっかりさせてその時期に出したい」と肥料の時期や配合などを工夫し、ジベレリン処理は行わずお盆前の出荷を実現。「香りがいい」「日持ちがするのでお供え物にしても安心」など、品質に対してうれしい声が寄せられています。「お客さんは甘い方を好まれるので糖度を上げればいいんですが、糖度を上げると日持ちが悪くなったり...なかなか難しい」。これまで試行錯誤を重ねてきた成果は、いま、しっかりと実になっているようです。

省力・軽労化へ低床トラクタなど様々な機械を活用

 一方、家族経営で、多くの作業を担っている久野さんにとって、大きな課題が省力化。梨の栽培は、年明けの剪定からはじまり、枝縛り、春には人工授粉、摘果など、多くが手作業ですが、農業機械も積極的に導入されています。基肥を施用する際は、ブロードキャスターを装着した低床トラクタを活用。「低床トラクタなら、棚下20センチのところを主枝が走っている園地でも、枝を気にせず安心して作業できます。おかげで短時間に散布でき、便利というか、とても省力化できていると思います」。排水対策にはミニバックホーを、防除にはスピードスプレーヤーを、草刈りには乗用草刈機を活用するなど、様々な面から省力化を推進されています。

将来の展望を拓くジョイント仕立てへの取組み

 省力化の面では、近年取り組まれている「ジョイント仕立て」もそのひとつ。取り組んだきっかけは、萎縮病(いしゅくびょう)の発生で多くの木が枯れたことでした。「これは大変な事になると思い、早期成園化が見込める密植のジョイント仕立てをやろう」と決意。「今年から収穫していますが、全部成ると一人で収穫するのは大変そうです」と、成園化の早さを実感されています。久野さんは、更新がしやすいというジョイント仕立てのメリットにも注目。「1本で大きな面積になる普通樹より、何本かでこの面積になる密植の方が管理もしやすく、収穫量も多い。普通樹で10年以上かけて成園にするよりいいかもしれませんし、早めに更新していってもいいんじゃないかと思います」と、将来的な全園の密植化も視野に入れています。今後は、ジョイント仕立てに取組みながら、新しい品種に挑戦していきたいとのこと。「品種選定はまだですが、お盆の需要がすごいので、その時期に出せるいい品種を選んでお客様のニーズに応えたい」そんな久野さんの思いは、直売所の行列をさらに長くさせてしまうかもしれません。

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