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西南暖地における省力・低コスト技術として確立された鉄コーティング直播。熊本県で最終検討会を開催!

  • 熊本県合志市 / 熊本県農業研究センター
  • 栽培管理
  • 熊本県
  • 2018/02/26

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1月30日、熊本県農業研究センターに於いて、平成29年度各種事業実証圃成績検討会」が行われました。検討会では、鉄コの教室で密着レポートをさせて頂いた出田さまの圃場で行われた「鉄コーティング直播栽培の実証」についても、担当された熊本県県央広域本部農林部の井手さまから今年度の成績が説明され、実証成功を得て、西南暖地でも自信をもって普及ができる技術として発表されました。今回は検討会に参加された関係者の皆さまに、今年度の鉄コーティング直播栽培の実証について、感想や今後の普及に向けた課題等をお伺いしました。

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省力、低コスト化のために直播栽培を推進していきます

熊本県農林水産部 生産経営局 農業技術課 
金森 伸彦さま
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熊本県では、経営面積が約100haを超える広域農場を始め、86軒(平成28年)の法人化された地域営農組織が活動しています。いずれの地域、営農組織も少数のオペレーターが機械作業の大部分を担っているので、省力・低コスト化の推進が共通する課題となっています。

その中で、育苗や苗運搬等の作業が省略できる直播栽培は、低コスト化と作業分散が可能な技術として大きな期待が寄せられています。麦等の作付体系上の制約もあり、全てが直播栽培に移行することは難しいと思いますが、直播栽培を積極的に導入することでさらなる稲作の省力、低コスト化を推進していきたいと思います。

湛水直播の課題を一つひとつ解決していき、普及を進めていきたい

本県における湛水直播の基本技術は、スクミリンゴガイ対策も含めてほぼ確立されたと考えています。しかしながら水管理や除草剤散布のタイミング等、これまでの移植栽培と異なるノウハウが必要となります。導入にあたっては、このノウハウを生産者に十分理解してもらうことが重要です。

また、湛水直播栽培はトータルでは省力、低コストになるものの、除草剤等の資材費がかさむこと、圃場の均平をより高めるための代かきの労力がかかることなどが解決すべき課題と考えます。これらの課題が解決されれば、湛水直播栽培に取り組む生産者がさらに増えることと思われます。

 

 

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熊本県央広域本部農林部 農業普及振興課 
参事 井手 眞一さま
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スクミリンゴガイの食害防止と安定した出芽苗立ちを確保でき、
移植と同等の収量・品質となりました

平成29年度の鉄コーティング直播栽培実証は、雑草の繁茂による収量減少や、スクミリンゴガイによる食害という課題をクリアすることで、西南暖地における鉄コーティング直播栽培技術の確立を目的に行いました。今年度の実証では、額縁明きょの設置と防除剤の適期散布により、スクミリンゴガイの被害を抑えることができ、雑草対策では播種同時と初・中期一発処理剤の体系処理をすることで高い除草効果が認められました。その結果、移植と遜色のない収量・品質となりました。

施肥においては移植栽培より生育期間が長くなるので、それに適した肥料の選定が必要です。また、成熟期が遅くなるため収穫期の幅が広がり機械の効率的な利用ができ作業労力の分散化も図れます。課題として、原材料費の削減と、出芽を安定させるために、播種時の土壌硬さと圃場の均平化及び、播種後にまとまった雨が降った場合の迅速な排水対策が必要と考えます。

スクミリンゴガイ対策 -----------------------------------------------------------------------------------

①播種同時の防除薬剤の散布は必須。6月初旬の播種では出芽が早く、播種同時に散布していないと貝による食害で全滅の可能性があります。

②溝(額縁明きょ、溝切り等)設置による制御は有効。貝を溝に誘導し、生息場所を限定することで食害防止になります。また、防除剤のスポット処理で低コスト、効果・効率的な防除が可能になります。

③水管理(落水期間)は、水稲の生育(草丈と茎葉の硬さ)との兼ね合いが大切です。(貝食害回避には、均平度の向上と水管理が重要)

雑草抑制 -----------------------------------------------------------------------------------------------

①播種同時+初・中期一発処理剤の体系処理で対処します。除草剤処理を3回から2回への削減が可能です。

②播種同時除草剤の効果をいかに確実にするかが重要です。

●圃場の均平度向上

●3~4日間の湛水維持(処理層の形成)

施肥 ---------------------------------------------------------------------------------------------------

①移植栽培より溶出期間の長い肥料の施用により、移植並みの収量を確保できます。

②食味への影響はありません。

③移植栽培より生育期間が長くなるので、それに適した肥料の選択が必要です。

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スクミリンゴガイ対策が確立したことで、
地域に直播を勧めるきっかけとなります

JA熊本経済連 農産指導部 
松永 圭吾さま
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鉄コーティング直播は、育苗時期の作業軽減ができるので非常に良い技術です。しかし、スクミリンゴガイの被害が甚大で、苗が食害に遭い全滅する点を危惧して、普及はなかなか進みませんでした。

3年間クボタさんにご協力頂いて試験をした結果、今年一定の成果を上げることができました。技術が確立できたことで鉄コーティング直播が農家の選択肢の一つとなったことは非常に良かったと感じます。実証結果や映像などを活用して生産者の方に普及を進めていき、導入の機会を得てもらいたいと思います。

 

2年前より雑草防除技術が進化していますね!

熊本県県広域本部 農業普及振興課 
柴山 豊さま
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法人化や大規模化する農家さんが多く、そういったところから直播をやりたいという声があります。その中には、スクミリンゴガイが発生している圃場をお持ちの方もおられるので、今回の検討会でお聞きしたような額縁明きょの施工等の食害対策はとても参考になりました。

2年前に担当している地域で鉄コーティングの実証をしたときよりも、雑草防除を省力化できる等、改善されていました。収量については、技術的に確立していて心配は無いですが、圃場が分散すると水利条件(水利慣行の調整)が必要になってくるので、その点がこれからの課題です。

農地を守っていくためには、直播の導入は不可欠です

熊本県天草広域本部 農業普及振興課 
田中 一成さま

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私が担当している地域では高齢化が進み、法人化が進んでいます。農地を守るためには法人がしっかりと収益を得て運営していく必要があります。そのためにも、低コスト技術を実証し、推進していきたいと考えています。鉄コーティング直播はコスト面・技術面で確立されれば普及の可能性があると感じました。また、法人は新たな担い手を募集していて、若い方やまだ技術が未熟な方でも直進キープ機能が付いたGS田植機なら技術をアシストしてくれるので、非常に助かります。

農家所得の向上を目指し、低コスト技術の紹介や指導を行っていきたい

JAあまくさ西統括支所  
倉田 智博さま
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低コスト稲作に取り組むことで、資材費削減や技術導入によるコスト低減を図り、農家の収益向上につなげたいと考えています。鉄コーティング直播は、規模が大きい法人では育苗作業の省力化や作期分散のために導入を検討されているところもあります。しかしもう少しコストの面でメリットが感じられるようになれば普及もスムーズにいくと感じています。

クボタさんは農機メーカーですが、機械だけではなく、栽培にも目を向けておられることは良いことだと思います。スクミリンゴガイ対策としての額縁明きょの施工は、鉄コーティング直播だけではなく、移植栽培でも非常に有効な技術です。今後このような技術は、地域の農家の皆さんに是非紹介して行きたいですね。

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