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若手先進農家が挑む省力・低コスト稲作

『鉄コ&密播』で大規模営農に対応!
若手先進農家が挑む省力・低コスト稲作

  • 新潟県新発田市 / 農事組合法人アドバンファームしばた 理事 本間 清起様
  • 水稲88ha:移植66ha(稚苗移植66ha、密播苗移植14ha)/鉄コーティング直播8ha) 園芸:ハウス栽培52a(イチゴ28a/チューリップ切花24a) 露地栽培255a(枝豆1.2ha/ブロッコリー1.0ha/アスパラガス:35a)
  • 栽培管理
  • 新潟県
  • 農事組合法人アドバンファームしばた 本間清起様
  • 2018/04/26

 

新潟県新発田市は、加治川を水源とした水田が広がる農業が盛んな地域です。アドバンファームしばた様は、地域の担い手として、80haを超える水稲・園芸作物等の複合経営を展開。従業員10名の平均年齢が30代という若い人員で構成された勢いのある営農法人です。

同法人は規模拡大に対応するため、全国でも先駆的に鉄コーティング直播栽培を導入。また、昨年から新たに密播苗移植栽培にも取り組み、作期分散による経営の効率化を図っています。

今年度の鉄コの教室は、大規模化営農に於ける、『鉄コと密播の組合せ』による省力・低コスト稲作を、アドバンファームしばた様の栽培を通じて年間レポートします。

若いメンバーの力を結集し省力・低コスト稲作に取り組んでいます

私が代表になって4年目ですが、その頃から比べると約30ha近く面積が増えています。世間でもよく言われる農家の高齢化に伴って、農業経営を継続できなくなる農家が多くなってきていることが大きな理由です。他の担い手の方は、一定以上の面積や条件不利圃場などは、請け負わないことが多く、私達に圃場委託が来ることが多くなっている現状です。

H30年産から生産調整方式の変更で、国からの交付金が無くなりますが、法人のメンバーはまだまだ若いので伸びしろが十分にあり、面積を拡大しながら交付金の収入減分はカバーできると考えています。ただ、面積が増えると作業量が増えますし、育苗ハウスの増設も必要になります。そのために鉄コーティング直播や密播苗移植栽培などの技術を導入することで、新たな施設等への投資を行わずに、省力・低コスト化を図っています。

鉄コは農閑期に種子準備ができることが大きなメリットです

鉄コーティング直播栽培は、省力・低コスト化のために先代から取り組んでおり、規模拡大していくには重要、不可欠な技術です。他の直播技術と比べ、コ-ティング種子の長期保存が可能なため、冬期の農閑期に前もってコーテング作業ができるメリットがあります。多目的田植機で播種ができるので作業もしやすく、普通の移植だと田植えの時に2~3人の作業補助の人員が必要ですが、鉄コの場合は、作業補助員が不要で、一度種子を田植機にセットすると60aくらい1人ですべて終わらすことができます。もし作業補助員がいても、鉄コは見ている時間が長いのでもったいないくらいですね。水稲の忙しい時期は、イチゴのピークとも競合するので、水稲作業を省力化し、人員を効率的に配置するためには鉄コは必要です。

 

「鉄コ&密播」で面積拡大に対応できます

密播は昨年から取り組んでいます。密播に取り組むことで苗箱数を削減でき、田植え時の労働軽減になると考えました。うちは大区画圃場が多いので、一往復するたびに田植機に苗を補給しないといけませんが、その作業にも余裕ができますので、作業補助員の軽労化が図られます。

鉄コと密播を組み合わせることで、育苗ハウスの有効活用ができ、春作業の労力軽減と収穫時期が慣行栽培の稚苗移植に比べると少しずれるので作期分散が図られます。地域の稲作のことを考えると、今後も委託面積は増え続けるので、ある程度面積が増えても鉄コと密播の技術で対応していけると考えています。

面積が拡大すると圃場の枚数も増えてくるため管理が大変になってきました。従業員の方もわからない圃場があり、毎回圃場を案内するのも大変なので、今年からパソコンでデータ管理ができるクボタ営農支援システム『KSAS』を本格的に活用することにしました。圃場の登録は、鉄コや密播という異なる栽培技術や品種毎に区分ができ、圃場毎の内容がわかりやすくなっているので、作業の効率化が図られます。今後、経営の強い味方になりそうです。

㈱クボタ アグリソリューション推進部
齋藤 祐幸 技術顧問

 

複合営農による周年営農を確立するアドバンファームしばた様

アドバンファームしばた様は、平成5年に法人化された農業生産法人ですが、平成26年先代の死去に伴い、経営継承が行われ、現在は平均年齢30代の若い体制になっています。設立当時から、複合営農による周年営農を経営目標としてきており、今年度は水稲は9品種、4栽培様式を取り入れ、88haを耕作。複合の園芸は、ハウスでいちご高設栽培とチューリップ切り花、露地では枝豆、ブロッコリ-、アスパラガスとなっています。通年就労の従業員は、役員を含め10名おり、6名が水稲、4名が園芸専属の体制をとっており、繁忙期にはパ-トの雇用と品目間の労力の融通を行っています。

大規模稲作経営体にとって、米政策の変革は非常に大きな問題です。目先の問題として、今までの10aあたり7500円の直接交付金がなくなるというだけでも、かなりの影響はあるはずで、生産調整に関する考え方が、大きく変わる経営体もあると考えます。

しかしながらアドバンファームしばた様は、組織設立後から、複合営農による周年営農に取り組んできているので、その中で生産調整にもしっかり対応してきており、この姿勢を大きく変える必要はありません。実際、生産調整は水稲の業務用米での対応であり、今年からは輸出米にも着手する予定です。

今年度は「鉄コ&密播」による省力・低コスト稲作を実証

稲作に関しては、将来的に農地集積が起こることを予測し、組織設立時より、直播栽培に着目し、酸素発生剤粉衣直播(カルパ-コ-ティング)、無粉衣直播など、様々な技術の試行錯誤を行い、鉄コ-ティング直播栽培は、クボタが普及開始した平成18年から取り組んでいます。現在、規模拡大を図り80haを超える経営面積となっており、効率的に栽培するためには、多様な品種や栽培様式の選択をしながら、適期収穫を図る必要があります。そのための、マストアイテムとして、鉄コ-ティング直播栽培は重要な技術の一つとなっていて、導入面積は、委託の播種作業を含めると、経営面積の約20%程度になっています。

密播苗移植は移植作業の軽労化のために導入することとし、昨年度は約8ha試行しました。今年からはさらに拡大し、3品種で約14haを導入しています。クボタが進める、大規模稲作経営体における、「鉄コ&密播」による省力・低コスト稲作を実践している経営体でもあります。

今年度の鉄コの教室のテ-マとしては、大区画圃場における鉄コ-ティング直播の出芽の安定化のための水管理の徹底と「鉄コ&密播」による省力・低コスト稲作の実証を行っていきたいと考えています。

 


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