自動でまっすぐ田植えができる「直線キープ機能付田植機」デビュー 業界初の先進農機開発の舞台裏

稲作作業の中でも、田植えはまっすぐ植えつけるのが難しく、熟練技術が求められる作業。クボタは、直進時の自動操舵によって、慣れない方でも簡単にまっすぐ植付けできる田植機が必要だと考え開発に着手した。そして約3年の歳月をかけて誕生したのが、直進キープ機能付田植機「EP8D‐GS」。先進農機誕生の舞台裏を3人の開発者が語る。

熟練技術が必要な田植え作業。
そのストレスと作業負担を軽減したい。

直進キープ機能付田植機開発のきっかけは、北海道のお客様がトラクタ用の自動操舵システムを自力で搭載した田植機との出会いでした。
海外では10年ほど前から自動運転を行うトラクタが登場していたのですが、お客様の田植機は、そのシステムを搭載したものでした。
田植機はまっすぐ植えつけるのに加えて、周囲にも気を使う作業。特に担い手農家さんは、大規模な田んぼを何日もかけて田植えされる方が多く、作業後は疲れがたまると聞いていたのです。クボタでも田植機専用の自動操舵システムを製品化したいと考えました。そこで、その年の秋から既存の田植機に取り付ける自動直進機能の開発が始まりました。

全国の田んぼで走行試験を実施、
直線キープ機能をつくりこむ。

試作機ができあがると、全国のさまざまな圃場で、2000本を超える走行試験を繰り返しました。圃場によって土質や手入れの仕方が異なるので、どんな圃場でも安定して直進と植付け精度が保てる田植機を目指しました。
実は最初の頃はロボット的な動きが多く、ほ場条件によってはうまく直進をキープすることができなかったんです。
そこで、試作機での走行試験では、私自身が操作をして、オペレーターの感覚や状況をシステム開発担当者に伝え、システムに内蔵するソフトウェアに改良を加えて行きました。私の言葉が制御に直結しますから、これまで体験したことのない緊張を感じながらの田植機作業でした。

先進機能を実現する独自技術で、
使う人の安心感を作り出す。

完成した業界初となる直進キープ機能付き田植機には、まっすぐ田植えができる「直線キープ機能」に加え、あぜへの衝突や万一の衝突時にも落下を防止する「安心サポート機能」など、田植えに不慣れな方でも、簡単に安心して操作や植付けができる機能を搭載しました。
これを実現するため、直進キープ機能付き田植機には、3つの先進技術をもりこみました。1つ目は、人間が動かすよりも、速く・高精度にハンドルを切るための「ステアリング操舵システム」。2つ目は、販売価格を抑えるために採用したGPSを使いながらも、直進キープ中はしっかりと精度を保てる独自開発した信号処理技術。3つ目は、最も重要だと考える独自の走行制御技術。人間の動きに近い機械動作が実現できたので制御に安定感が生まれ、安心してお使いいただけるのです。試乗したお客様からは、「ラクだ」「疲れにくい」など好評価を得られました。

自動化した農機を増やし
農作業へのハードルを下げたい

直進キープ機能付田植機「EP8D‐GS」は、GPS(全地球測位システム)を活用して、農作業に高精度・省力を実現する、クボタの「ファームパイロット」シリーズの第一弾です。
今後は、他の農機にもこのような自動化技術を取り入れて行きます。
クボタの自動化技術は、皆さまにもっとご体験いただき、もっとご意見をいただきながら、開発や改良に取り組んで参ります。
クボタは、簡単に誰にでも作業できる農機の種類を増やし、高齢の農業者やこれから就農される方にとって、農作業のハードルを低くして行ければと考えています。
先進機能を搭載した新しい「クボタ農機」に、どうぞご期待ください。

FarmPilot EPBD-GS Developer Interview

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