滋賀県の南部、琵琶湖に接する野洲市で従業員2名を雇用し、水稲・麦・大豆を62ha栽培する(株)シゲタカ。多い年で請負面積が「20haほど極端に増えたケースもある」ことから、トラクタのグレードを上げたいと様々試す中、出会ったのが「有人仕様のアグリロボトラクタ MR1000AH」です。今回は麦の播種、代かきを手始めに大豆の中耕除草など活用の幅を広げたいと構想を練る代表の重髙さんにアグリロボトラクタと、地域に先駆け導入したアグリロボ田植機を含め、先進のスマート農機をどう経営にお役立て頂いているのか、お話をお聞きしました。

急速に面積が増え、大型トラクタの導入が急務に

「年々加速度的に面積が増えていますね。増える時は一気に何十haだとか、少ない場合でも2~3ha。極端ではありますが」と話す重髙さん。限られた人数で大規模面積をこなす必要に迫られ、MR1000AHを導入したのが2022年の10月です。導入後半年で「アワーメータが既に500時間手前」と話すことからも、MR1000AHが重髙さんの経営に不可欠なトラクタだということが容易に想像できます。

「導入前にMR900とMR1000の両方を試乗しましたが、音も静かで最高だった。購入するならこれだなと」他のトラクタも乗り比べる中、無段変速を含めてトラクタの基本性能が非常に高いことも、決定打の一つになったと話します。

「アグリロボでとりわけ魅力に感じたのは、自動操舵機能がクボタ純正で標準装備であること。ハンドルがクルクル動かないので、作業中も快適。ハンドル周りもスッキリとしています」と、太鼓判を押します。

(株)シゲタカ 代表取締役 重髙さん。麦の播種、刈取りを10ha、大豆の播種5ha、収穫38haも請負う

オートステアを使うようになって負担が4割減

目的・条件に応じて機能を使い分け

MR1000AHのできることに、自動操舵(オートステア)と自動運転の2つがあります。自動操舵機能の一つである「直進オートステア」は、時間の経過による位置ずれが少なく誤差2~3㎝の高精度な作業が行えます。重髙さんは、ほ場の大きさによって「自動操舵」と「自動運転」を使い分けしています。活用法を具体的にお聞きすると…。

「大きいほ場だと70aになりますが、『ラクを重視』して旋回も自動で行う、自動運転で作業します。30aほどの大きさであれば『効率を優先』して、直進オートステアで作業します。直進オートステアを使うことが多いですが、それでも以前に比べると身体の負担が4割ほど減らせ、本当にラクになりましたね。夜ちょっと仲間と飲みに行こうとか、そういう楽しい時間が増えたかな」と、笑顔を見せる重髙さん。プライベートが充実したと話します。

大きくて見やすい、7インチのターミナルモニタ。操作・設定が簡単

誤差がわずか数㎝の高精度作業が可能に

重髙さんが導入効果を肌で感じたと話すのが、直進での自動操舵において誤差がわずか数㎝というその直進精度です。「条が曲がるとそれに合わせて機械を調整する必要があるので、最初に麦の播種を真っ直ぐ精度良く行うことで、その後の管理作業や収穫が効率良く行えラクになります」。

また、それ以外に効果を顕著に感じたというのが代かきです。「大豆の跡地に米を作付けしますが、麦の排水対策用に施工した明きょが残っています。凹凸があると苗がきれいに植わらないので耕うん時に土を均しますが、それだけでは足りない。だから、代かきの際も均すのですが、なにせコンクリートあぜが多く機械をぶつけないよう、必要以上に真っ直ぐ作業することに気を使います」。

それがMR1000AHで作業を行うことで、「直進維持に気を使うことがなくなり、耕うん深さや速度調整など、ほ場に合ったきめ細かい作業が行えるようになった。精度良く作業できるのは、MR1000AHだからこそ。ラクをさせてもらっています」と評価します。

幅の広いハローで代かきを行う。直進オートステアは、ほ場のマッピングが不要で手軽に使えることもメリット

運転操作をアグリロボに任すことができるので、速度や耕うん深さの調整に集中でき代かきが均平に行え、田植えの精度が上がる

人員の配置換えもフレキシブルに対応可能

(株)シゲタカは、アグリロボ田植機 NW8SAもいち早く導入しています。オペレータを務めるのは、入社8年目の久田さんです。「初期のGPS機能付き田植機に比べ、精度が良くて驚きましたね。もう自分では真っ直ぐに植えられないぐらい、重宝しています」。

NW8SAは、乗車せずとも自動で田植えを行う“無人仕様”ですが、アグリロボトラクタと同様に、ほ場1枚当たりの面積に応じて機能の使い分けをし、ラクで効率的な田植えを行っています。

「30a規模のほ場が多いので効率を重視して、直進操舵機能を使うことが多いですが、それでも本当にラク。『真っ直ぐ植えなければいけない』というストレスがなく、精神的な疲れも減りました」と、効果をありありと実感しています。

重髙さんは来年以降、久田さんを代かき担当に、入社3年目の辻さんを田植え担当に配置換えを行う予定です。大抜擢された辻さんは「プレッシャーですが、機械に乗るのは楽しい。早く覚えたい」と意欲的です。

大胆な配置換えが可能なのは、熟練作業を担うことができる、アグリロボがあるからこそ。経験年数の浅いオペレータでもベテランのような精度の高い作業が行えることで、「従業員につきっきりで教えることも減り、私は違う仕事ができます」。

実は農業の他に、建設業も営む重髙さん。操作指導の負担を減らし多忙を極める農繁期など、限られたスタッフをフル活用したい思いに、アグリロボが応えています。

従業員の久田さん。異業種からの就農。来年からはMR1000AHで代かきに挑戦

アグリロボ田植機 NW8SAで作業する久田さん

従業員の辻さん。「農業は面白くて、習うことも多い。早く一人立したい!」と積極的

目指すは100ha以上の経営面積を持つメガファーム

MR1000AHを導入して約1年。「最近、さらに使い勝手が良くなった」と、重髙さんは喜びます。「これまでは基準線の登録が、作業の度に必要でしたが、一度登録すれば次回以降、同じ基準線を使うことができるようにアップデートされたんです」代かきでつくった基準線を次作の麦の播種でも使い、作業効率を上げたいと話します。

「ひとまずは100ha規模を目指したいですね。でも、面積が増えてきたから作業が雑になったと思われたくないので、クオリティは落としたくない。そんな思いにも、アグリロボが応えてくれているのかな。直進に注意を払う必要がなくなったので、後ろを見ながら作業機の調整をしたり作業状況を確認したりできるので、細かいところまで目が行き届きやすくなって本当に助かっていますよ」。

MR1000AHの魅力を余すことなく教えてくれた、重髙さん。アグリロボを経営に上手く取り入れ、作業の省力・効率化を図りながら規模拡大に向け、着実に前進する(株)シゲタカの挑戦から目が離せません。

30aほどのほ場であれば効率を重視し、旋回は手動で行い「直進操舵機能」を使って作業する

地域の中核的な担い手で、若手スタッフが活躍する(株)シゲタカ。チームワークを発揮して、効率よく仕事を進める

※ほ場まで公道を走行される場合は、キャビンの前方、側面に遮光フィルムを貼ると保安基準を満たさなくなりますのでご注意ください。

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