
今や、クボタでも多くのトラクタや田植機に搭載され、当たり前になりつつある「GS機能※」。2024年から満を持して、自脱型コンバイン ディオニスにも「GS機能」を搭載し、4条刈を皮切りに、5条刈・6条刈へとラインアップを拡充しています。2024年の稲刈りシーズンに導入されたお客様、ご試乗いただいたお客様にGSコンバインで稲刈りがどう変わったのかをお聞きしました。
※GPSの位置情報を利用して、自動で直進走行ができる「直進アシスト(GS=Go Straight)機能」のこと
目次
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半信半疑で乗りましたが直進も中割りも楽、これは凄いです

スマート農機である程度自動化することで、歳を重ねても楽に農業ができているという福田英則様
「コンバインにもGSを付けるの?と半信半疑で乗ったんですが、直進も中割りも楽になるし、これは凄いなって思いました」と、ひと足早くDR6130GSに試乗した感想を語ってくださったのは、佐賀県大町町で主食用米や麦、大豆等、約12haを経営されている福田英則様。
「中割りしていると曲がって斜めに切れてしまうこともありますが、GSはまっすぐ行くのでそんなこともなかったです」と言う福田さんがおすすめのGS機能は「らく直キープ※」。「刈始めはセンサが鳴るまで手動操作をしますが3mほど進むと後はそのまま。まっすぐに行くので、レバーをそんなに操作しなくてもいいんです」と使用感を評価してくださいました。
基本的に作業は妻と2人で行うという福田様ですが、3年ほど前に頼もしい助っ人が登場。「私の後を継ぎたいという甥が手伝いに来てくれます。農業未経験でしたが、今年は『これだったら僕にもできるね』と言って、私が周り刈りをした後、GS機能を使って中割りまでしていました」と未熟練者でも作業ができるGSコンバインの使いやすさに驚いていました。
現状の面積を維持しながら、甥にいろんな作業を教えていきたいという福田様。「スマート農機で自動化を進めていけば、年をとっても楽に農業をやっていけます。そして、こういうコンバインなら、これから始める若い人もやりやすくなると思います」とベテランと若手を繋ぐ、GSコンバインの可能性に期待を寄せていました。
※一定距離を左右操作せずに走行すると、進行方向に自動で基準線を作成し、基準線の延長線上を直進走行する機能
直進を任せられるので、今まで以上に負担が軽減されます
新潟県阿賀野市で、コシヒカリ約9haを栽培されている渡辺 隆様。「私の地区は数年前に基盤整備されてほ場一枚が5反になりました。長さが170m、幅が30m。GSを試してみたらやっぱり楽ですね。疲れにくくなりました」とDR472GSの導入効果を語ります。
長方形のほ場ということもあり、渡辺様は直進キープ(A-B点※)が使いやすいとのこと。「最初から最後まで基準線通りにまっすぐ行きたいので、A点、B点をセットします。とにかく楽して早く終わりたいというのがあるんです」。
渡辺様は、近年「作業が楽になる機械を使っていきたい」と考えており、GSトラクタとGS田植機も導入済。「若い時はまっすぐ行くように集中してこまめにハンドル操作をしたり、取りこぼした作業も手直ししていましたが、歳を重ねて、とにかく少しでも手作業をしなくていいような農作業を楽にやりたくて。GSはそういうところに貢献してくれていると思います」とGS機能を評価されています。
「GSトラクタを入れた時は、ハンドルに集中してまっすぐ耕そうと思っていた気持ちが楽になりました。GSコンバインを入れたら、やっぱりまっすぐに刈取る作業が楽になりました。慣れてくればもっといろんなことに注力できて楽になるんだろうと思います」という渡辺様が考えるGSのメリットは「直進走行を機械に任せられるので、その分オペレータの負担が少なくなり、他のところに気を配れる」ということ。
「コンバインの場合、例えば倒伏して稲が乱れていると、デバイダの先の方で詰まるとか、脱こくするまでの間で詰まったりすることがたまにあります。もっとGSに慣れてくれば今まで以上にそういうことに気を配れると思います」と、さらにDR472GSを活用していく意欲を語ってくださいました。
※手動走行で作成した基準線から平行または垂直に直進走行する機能。基準線は始点Aと終点Bを登録して生成します。

「GSは直進に注力しなくてよいので別の事もできる、それで楽な気持ちになれるんじゃないかと思います」語る渡辺 隆様
最高速度でも刈取部を追う必要がなく、目が疲れにくいです
「疲労の軽減と時間的な余裕、それが第一かなと思います」とコンバインに対して求めることを語ってくださった新潟県燕市の髙山 上様。個人経営でコシヒカリを約3.5ha栽培されており、2024年の稲刈りシーズンからDR472GSを使用されています。
適期を逃さず、スピーディな作業を心掛けている髙山様。以前のコンバインでの作業を「やっぱり速度を上げると、どうしても目で追うのが大変。一日中乗っていて、条から外れるとかいろいろ注意して見ていると相当疲れましたね」と振り返ります。
今回、髙山様がコンバインの更新にあたってGS仕様を選んだのは、DR472の実演がきっかけでした。「試乗の際、良い感覚で乗れたんです。また、近年の暑さで前々からキャビンが欲しいというのもありました。それで、営業所の方に話を聞いている中で、燕市ではGS仕様が補助金の対象になるということを聞きまして、そういうのが活用できるのであれば、思い切って導入しようかと決めたんです」。
新たに導入したDR472GSでの作業については「刈取りはほぼ最高速度で行いますが、GS機能のおかげですごく楽でした」とのこと。具体的には「最高速度で刈取りしていると普通は目がとても疲れますが、GS機能のおかげでまっすぐ行ってくれるので、前ほど刈取部に集中しなくても良くなりました」と説明してくださいました。
GS機能は調整のしやすさも魅力だと語る髙山様。「田植えの時に曲がっていると、そこに合わせて行かないといけませんが、GS機能を使っていて多少離脱してもラインシフト※で微調整すれば条が外れるっていうことはないですね」。
「歳をとって来ると目が衰えてきたので、ずっと刈取部の先端を見続けているのはかなり負担でした。GS機能を使うと、ずっと前を見続けて操作するよりはるかに楽。ちょっと外れても補正が効く。だから今年から刈取り作業時に、常時刈取部の先端を目視し続けることが少なくなりました」と2024年の稲刈りを振り返り、GSコンバインの機能を評価くださいました。
※直進作業中レバーを傾けることで微調整ができる機能

GS機能で作業が楽になったという髙山 上様。稲刈り作業はご自身のみで行うため疲労の軽減が課題であった
方向に気を使わなくてもよくなって、中割りが楽になりました
「今は広くやろうとか規模拡大は考えてないですが、続けて行くには楽にできるようなやり方にしないと、と思っています」と語る大坪知光様は、佐賀県江北町で水稲約8ha、麦約11ha、大豆約3haの栽培に取り組んでいます。
「このコンバインを買って、楽になったんです」と評価するDR472GSについて、具体的な良さをお聞きしたところ「中割りがだいぶ楽。方向に気を使わなくてよくなったんで、もう前よりコンバインの操作が楽になっています。手動運転だったら、違う方向へ大きく外れて行ってしまうこともありましたが、GSだったら間違っても1株ぐらいでしたね」とのこと。
主にお使いの機能は「らく直キープ」。「らく直キープで大体まっすぐ行けます。手動運転だったら10回ぐらい方向修正していたのが1回修正するぐらいになった。ほぼまっすぐ行けるので、その点は楽になりました。らく直を始める時、操作ボタンを押さなくても、そのまま運転していれば、らく直が始まるのも良いです」。
「GS機能のおかげで余裕ができました。直進することに神経を集中しなくていいので、搬送部等、他のところにも気を使えるんです」と直進キープがもたらす効果についても語ってくださった大坪様。一日の稲刈りを終えて帰宅した際に思ったのは「去年より疲れを感じなかった」ということだそう。「確かに、楽。使ってみれば、この良さは分かると思いますね」とお話しくださいました。

初期のコンバインからはじまり、様々なコンバインを乗り継いで来られた大坪知光様

出だしで3mほど進んで「らく直キープ」が入ると、なめらかに刈取りが進んでいく
ご紹介の各機能についての詳細はこちら(GS機能の各説明は1:35~)