高精度な管理、収穫作業でたまねぎの安定生産を支える お気に入りに追加
ナビライダーユーザーインタビュー
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佐賀県杵島郡白石町でたまねぎを大規模に栽培する片渕さんは、管理作業や収穫作業の省力化に加え、収穫過程で発生する廃棄ロスを抑えたいと、クボタの乗用管理機「ナビライダー」を導入しました。ナビライダーの活用で以前に比べて作業が各段にラクになり、作業効率が向上するとともに、作業中にたまねぎを傷つけることが少ないため歩留まりが改善したと実感しているという片渕さんに、その効果について詳しくお話を伺いました。

歩留まり向上のため、たまねぎの品質確保が課題

片渕さんは、玉ねぎを8ha、水稲を3ha栽培しています。農繁期には補助作業者を臨時で雇用しますが、作業のほとんどは家族が中心となるために、少人数での効率的な作業をめざして、機械化を積極的に進めてきました。

特に負担の大きい収穫作業は人手の確保が課題で、重点的に投資を行っています。これまで収穫前の根切り作業は27馬力のハイクリトラクタで行っていましたが、たまねぎを傷めることが多々あったそうです。その主な要因は、ほ場の特性にあります。有明海の干拓地で重粘土のため、降雨後はタイヤがぬかるみにとられ、車体が傾いた状態での作業を余儀なくされていたのです。「トラクタにつられて作業機も傾くので、たまねぎに作業機があたって割ってしまいます。そうなると売り物にはなりません」。当然、収入も下がります。

また、極早生や早生は柔らかく傷がつきやすいため、丁寧な作業が求められ、神経を使います。全国有数のたまねぎ産地である佐賀県の中でも白石町は主要な産地で、ブランド化され高値で取引されています。片渕さんは、品質の確保を最優先し、様々なメーカーの製品や中古のハイクリトラクタも視野に入れながら納得できる機械を探していました。その中で、クボタから新型の乗用管理機『ナビライダー』が発売されることを知ります。

「クボタのYouTube動画を見て『私が追い求める機械はこれだ!』と直感的に感じた」という片淵さん。
「導入するなら今でしょう」との思いで、更新時期を待たずして、即座に導入を決めたそうです。

「『出るものが出た』と言えるほど自分にとって理想的な機械だと確信した」と片渕和夫さんは語る

丁寧・スピーディな根切り作業でロスを抑え作業効率もアップ 

片渕さんは根切り作業が始まる時期に合わせ、2024年3月にナビライダーとキュウホーの『玉ねぎ根切機(回転タイプ)』を導入しました。玉ねぎ根切機は、高速回転する角棒が土に潜り込み表層の土を砕いて、根に付着した泥を落としながら根切りします。

「ナビライダーは、水平モンロー(水平制御)があるため、タイヤが沈み込んで機体が傾いた場合でも、常に作業機を水平に保つよう自動で修正してくれます。スピードを出してもたまねぎを傷めることなく適切に処理でき、この組み合わせはベストだと思っています」と、片渕さんはナビライダーによる高精度な作業によって、歩留まりの改善を実感されています。

さらに、片渕さんが予想外のメリットとして挙げたのが、乗用管理機特有の細いタイヤ幅です。「作業中にたまねぎがうねから溝に転げ落ちることがあります。トラクタで作業していた当時はたまねぎを踏む可能性があって、そのたびにトラクタを降りて拾い上げていました。ナビライダーはタイヤ幅が細いため、ハンドルを少し切るだけで回避ができるので、ノンストップで作業できるようになり、早く作業が終わります」。

ナビライダーは最低地上高が650㎜あり、たまねぎに接触しないことも導入の決め手の一つだった

キュウホーの玉ねぎ根切機(回転タイプ)を装着して根切りを行う。重粘土のため根に泥がつきやすいが、土を砕いていくため根についた泥を落とす手間が省ける

ナビライダーのタイヤ幅は細く、作物への干渉を抑えることが可能

操作は簡単でラク。4WSで枕地旋回がスムーズ

また、片渕さんが高く評価するのが、ラクに効率良く旋回ができる点です。「4WS(4輪操舵)※は本当に魅力的ですね。トラクタで旋回していた時は、ハンドルを何度も切り返ししていましたが、ナビライダーは小回りが利くので、1回のハンドル操作で次のうねに入ることができます」。4WSは前輪と後輪が同じラインを通るため、小旋回が可能です。旋回が頻繁に必要なほ場でも切り返しの手間が大幅に減らせるため、作業時間の短縮につながっています。

※前・後輪が同じ軌道を通る操舵方式。ほ場を荒らしにくく小旋回できるので、枕地の面積を小さくすることが可能。

「あとは操作が少ない点も、メリットに感じました。旋回は同じ操作を繰り返すので、煩わしく疲れも溜まります。作業中はどうしても焦るので、操作手順が少ないと冷静に作業ができ気持ちもラクです。ナビライダーは旋回をして発進する際、クラッチペダルを踏まずに、手元にあるレバー(ノッチ付グライドシフト)で無段階に変速ができるので、複雑な操作が必要なく、疲れづらい。そこが気に入っているポイントです」。

旋回時にハンドルを切ると自動で作業機が上昇する「オートアップ機能」を搭載。より簡単に旋回できる

人手不足の解決のために不可欠なナビライダー

「使い勝手の良いナビライダーは、どの作業機とも相性が良い」と話す片渕さんは、根切り作業の他に肥料散布と定植後の土入れ作業にナビライダーを活用しています。「土入れはこれまで一輪管理機でしていました。歩き作業で1条ずつしか作業が進められなかったため、時間がかかって大変でした。それがナビライダーだと、時速5~6kmのスピードを出して2条ずつ土入れができるので、作業があっという間に終わりラクになりました」。その差は体感で「10倍ほど」と語るほど、作業効率が大幅に向上したと言います。

「面積を増やしたい気持ちはありますが、収穫を手伝ってくれる作業員の確保が課題です。今は作業員の高齢化も進み、簡単な調製作業であれば来てくれますが、たまねぎを引き抜く作業が含まれると断られます。人員確保のためにも、ナビライダーのような高性能で最新の機械を揃える必要があります」と語る片渕さん。

「ナビライダーは、大規模にたまねぎを栽培する担い手農家の期待に十分応えられる機械です。『馬には乗ってみよ 人には添うてみよ』ということわざがあるように、実際に乗ってみないとその良さは分かりません。これからの時代に欠かせない機械です」と期待を寄せる片渕さんにこれからもナビライダーは応え続けます。

機械の導入にあたっては、片渕さんの営農を支援する㈱福岡九州クボタ 白石営業所の古田所長に相談した。片渕さんは「この地域では一番乗りで導入しました」と語る

葉を切りマルチを剥いでから根切り作業を行う

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