高い植付性能を誇る全自動野菜移植機に、待望の乗用タイプが登場!
開発の経緯や、こだわりがつまった機体の特徴などを、4人の開発者に詳しくうかがいました。
※0.55m/s 2020年10月現在
(この記事は、2021年1月発行のクボタふれあいクラブ情報誌「ふれあい」42号を元に構成しています。 )
ニーズの高まりを受け、22年越しに
高性能の全自動野菜移植機が登場。
2020年11月、クボタから全自動野菜移植機が発売されました。実は最初に開発されたのは1998年。2004年頃まで製造していましたが、当時はあまり需要が盛り上がらず、一旦生産中止になりました。しかし「最近、野菜栽培の大規模化が進み、作業機械も歩行から乗用への更新が進んでいます。また、水田から裏作や転作を始める方も多く、乗用機に慣れている方が増えてきました。そこで改めて、野菜移植機も乗用タイプを再開発しようと企画がスタートしたのです」と井上さんは開発の経緯を話します。また農家からの熱い要望もあり、総合農機メーカーとして、野菜移植機の分野でも乗用タイプをラインアップしたい想いもあったと言います。
時代を先取りした最初のモデルから、22年ぶりに改めて新型として登場した乗用全自動野菜移植機。今回の開発のこだわりは、「植付性能」と「使いやすさ」です。「植付性能については、もともと高い評価をいただいている当社の歩行型の移植機を、乗用に踏襲しました。構造は苗のせ台と植付カップの回転方向が逆構造となりますが、さまざまなほ場でテストして高い性能を実現しました」と八尾さん。また、歩行タイプは1条植えですが、乗用タイプでは2条植えが可能になりました。車体の傾きや、うねの高低差にも対応し、左右の植付部を同じ高さに保ちます。
「使いやすさ」については、レバー一本で前後進をコントロール。また株間を、ボタンで1センチ刻みに調整できます。阿部さんは「株間は収量にも大きく関わります。簡単に希望の間隔に設定できて収量もアップできるのは、農家にとっても大きなメリットです」と話します。しかも、業界最速の作業速度を叶えつつ、ほ場の凸凹を吸収して乗り心地が良いのも魅力と言えるでしょう。
現地での稼働テストにこだわり、
より実用性を高めた。
現在、当社の歩行型移植機の植付性能が高い評価を得る中で、乗用型としてより良いものを目指して、さまざまな課題に取り組んできました。「今回新しく、植付け時に機体が揺れた時にもきちんと植付けできる機能を搭載しましたが、最初は植付け部分が平行に保てずに深さが安定しなかったり、左右で異なったりして苦労しました」と八尾さん。研究機をほ場へ持って行き、農家の方の意見もうかがいながら、何度も試験を繰り返したと言います。また、井上さんも「私たちは現地で稼働させることを大切にしました。やはり実際のほ場で使ってみないとわからないことがあります」とこだわりを語ります。その結果を反映し、さらに実用性を高めました。
幅広い作物の植付けに対応。
農作業の効率化・軽労化を実現。
こうした研究機のテストを通して、「農家の方と直接しっかり話すことで、いかに今、省力化が求められているのかを実感できました」と話すのは若林さんです。後継者不足で機械に頼る部分が大きくなっているからこそ、作業の負担を軽減してくれる農機への期待の高まりを肌で感じたと言います。乗用全自動野菜移植機は、シンプルながら高い性能で、幅広い作物に対応しており、多くの農家での活用が期待されます。「作物は、基本的にキャベツやブロッコリー、白菜、レタスといった葉物野菜が多いです。最近はケールや青じそ、スイートコーンの植付けでも使われています」と阿部さん。
全国の農家に向けて、「現地に寄り添って開発しました。今の農作業が大変だと感じている方や、効率化・軽労化を重視する方、経営規模拡大を検討されている方には、ぜひ使っていただきたいです」とおすすめする八尾さん。そして実際に使った農家の皆様のご意見を取り入れながら、今後も成長させていきたいと4人の開発者は話してくれました。
クボタ乗用全自動野菜移植機
モニターユーザーの声
詳しい商品情報はこちらから
https://agriculture.kubota.co.jp/product/kanren/skp-200/