
こんな方におすすめ!
・トラクタ初心者で、基本的な使い方を学びたい。
・オートを使用しているものの、各モードの違いや調整方法などはよくわからない。
※この記事ではマイコンオート(オートスイッチ+耕深調節ダイヤル)について解説しています。メカオート(オート耕深レバー)について知りたい方は、下記のFAQをご覧ください。
・【NBシリーズ】メカオートの取り扱いについて知りたい
オートってどういう機能?
オート(自動耕深制御)とは

オートとは、「耕深(耕す深さ)を自動的に一定に保つ制御」(自動耕深制御)のことです。
ほ場の凸凹や軟弱地などでトラクタの車体が上下に動いても、ロータリは自動で一定の耕深で耕うんするため、耕深の一定保持のために手動でポジション(油圧)レバーを操作する必要がありません。
また、後2輪(尾輪)の作業と比べると、枕地いっぱいまで作業でき、耕うん跡に溝が残らないというメリットがあります。
※旧機種の一部仕様ではオート機能(オートスイッチやオート耕深レバー)が搭載されていません。その場合は、後2輪(尾輪)や手動で耕深を調節してください。
※オートは一定の耕うん深さを自動で保つ機能であり、ほ場の凸凹や轍を平らにならすことはできません。ほ場が凸凹の場合、凸凹に沿って一定の耕深を保ちます。ほ場の波うちを改善したい場合は、下記のFAQをご覧ください。
・ロータリでのオート耕うん時、耕うん跡が波打つ場合の対処法について知りたい。
オートの各モードの違い
オート機能には複数のモードがあります。使用用途によって適切なモードを選択します。各モードの詳細について、下記の通りご紹介します。
標準モード
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一般的な耕うん作業と浅耕起(5cm程度)の場合、このモードを選択します。
ロータリカバーの上下動をセンサーで感知し、自動的にロータリを上昇・下降させ、耕深調節ダイヤルで設定した耕深を維持します。
※オート耕うん時にフラップカバーを外して作業されますと、性能が十分に発揮できないことがあります。
※写真はサンプル画像です。キャスタスタンドを装着した状態で耕うん作業などはしないでください。
敏感モード
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標準よりも感度の高いモードです。主に湿田や代掻き作業、深く耕したい場合など使用します。
湿田でなくても、エンジン回転が安定しない場合や、標準モードよりもほ場が理想通りに仕上がる場合は、使用して問題ありません。
※オート耕うん時にフラップカバーを外して作業されますと、性能が十分に発揮できないことがあります。
Eオート(エンジンオート)モード
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エンジン回転センサで作業負荷を検出し、負荷に応じて耕深を一定に保つよう制御する機能です。
エンジンにかかる負荷が大きくなるとロータリが上昇し、負荷が小さくなるとロータリが下降します。
ロータリカバーを上げたままでオートを使用でき、主に荒起こしやうね立て作業で活躍します。
※写真はサンプル画像です。キャスタスタンドを装着した状態で耕うん作業などはしないでください。
ドラフトモード

ドラフト作業(プラウ・サブソイラ・スタブルカルチ等)の際に使用します。
作業機にかかるけん引力(負荷)で耕深が一定になるように制御する機能で、けん引負荷が大きくなると作業機を上昇させ、負荷が小さくなると作業機を下降させます。
また、ほ場に大きな石などがあった場合、作業機が自動で上昇します。
※仕様によっては、ドラフトモードがない場合もあります。
オートの調節の仕方
標準/敏感/Eオートモード

耕深調節ダイヤルを使って、浅起しから深起しまで希望の耕深になるよう設定します。
調整手順
①フラップカバーを装着する。
②耕深調節ダイヤルを任意の位置の目盛り位置(3~7がオススメ)に設定する。
③そのまま「2~3m」程度耕うんし、耕うん深さを実測する。
④希望の耕深より浅ければ「深(数字の大きい)」側に、深ければ「浅(数字の小さい)」側にダイヤルを回して調節する。
※オート機能を使用する際は、ロータリカバーを最下位置にしてください。
※耕深はほ場の条件やトラクタの姿勢によって異なるため、耕深調節ダイヤルのダイヤル値(目盛り)ごとに設定された具体的な数値はありません。(「ダイヤルを数字の〇位置に設定すると、耕深が✕✕cmになる」ということではありません。)
ドラフトモード
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耕深調整ダイヤルを使って、使用する作業機で推奨されている深さになるよう調整します。
調整手順
・作業機をより深くしたい場合
⇒「深(数字の大きい)」側に深さ調整ダイヤルを回します。
・作業機をより浅くしたい場合
⇒「浅(数字の小さい)」側に深さ調整ダイヤルを回します。
※作業機が深く入るほど、作業中の土の抵抗が大きくなります。トラクタの前部が浮き上がったり、スリップする原因となりますので、深くし過ぎないようにご注意ください。
もっとオートを活用しよう!
オートを上手に活用することで、作業時のお悩みを改善することができます。
下記に、よくあるお悩みとオートの活用方法をご紹介します。
・代掻きや湿田で作業すると、トラクタと一緒にロータリが沈んでしまう。
⇒耕深調節ダイヤルを「浅~1」付近にして、作業をお試しください。
耕深調節ダイヤルが「浅~1」付近の場合、作業機を吊り上げる制御になるため、沈んだタイヤよりも高い位置でロータリを使用でき、ロータリの沈み込みを防止できます。
・耕深を変えずに、もっと整地したい!(耕うん跡を平らにしたい!)
⇒オートの調整はそのままで、スプリングロックをバネ側にセットし、カバーが上がった時にスプリングが作用するように設定します。
※バネの利かせすぎにご注意ください。バネを利かせすぎると、ロータリカバーの動きが制限されるため、オートが正常に動作しなくなる原因になります。
・ほ場の中に、一部分だけ浅い(深い)ところがある。
⇒耕深調節ダイヤルを使って、ロータリを細かく上げ下げできます。浅いところは「深」側に、深いところは「浅」側にして、部分的に耕深を調整します。
オート使用時の注意点
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オートは電気的な制御のため、バッテリや配線に異常が発生すると正常に使用できなくなることがあります。(ロータリが敏感/鈍感に反応する、耕深調整ダイヤルでの深さ調整がうまくできない、耕深が安定しないなど。)
オートが不調で使用できない場合は、後2輪(尾輪)や手動(ポジションレバーの操作)を使って耕うんを行ってください。
※製品に異常が発生した場合は、速やかにご購入元へご相談ください。
まとめ
・オートは「自動耕深制御」の通称で、耕深を一定に保つ機能です。
・オートには「標準」、「敏感」、「Eオート」、「ドラフト」があり、行いたい作業やほ場との相性によって使い分けます。
・オートは「耕深調節ダイヤル」を使って好みの耕深に調整できます。耕深は、使用するほ場やトラクタの姿勢に影響されるため、決まった設定はありません。