2022年7月26日、大阪府能勢町の安田ふぁーむ様のほ場で水田株間条間同時除草機「楽とーる」の実演が行われました。
時代のニーズにあった商品、それが「楽とーる」です
「楽とーる」は乗用型田植機に取り付けることができるアタッチメント式除草機です。株間用・条間用に別れたブラシが回転し土壌表面を撹拌させながら除草を行い、稲を傷めることなくスムーズな除草作業が可能です。2021年5月に策定された、「みどりの食料システム戦略」の農薬の使用低減、有機農業の面積拡大に貢献する機械として、今注目を集める「楽とーる」について、実演に参加されたお客様の声と、開発に携わったときわ製作所に製品の特徴をお伺いしました。
みどりの食料システムに貢献するクボタの取組についてはコチラからご覧ください。
お客様の声
手作業の除草はもう限界!
乗用で株間・条間の作業が行える「楽とーる」は規模拡大に最適です
自然と共存した無農薬栽培でおいしいお米を提供したい
就農前は海上自衛隊にいましたが、地上での生活がしたかったことと、農業に魅力を感じ、6年前に農業者になる選択をしました。北海道で3年間農業資材の会社に勤め、実家が大阪ということもあり、3年前に中山間地の能勢町で新規就農者として水稲中心の農業をはじめました。
私は完全無農薬栽培で経営を行っています。北海道でたまたま無農薬栽培をされている方に出会い、安心安全な食材とその美味しさ、自然と共存した農業に惹かれ、自分が農業をする際にはできるだけ環境に負担をかけない、持続可能な農業をしたいと考えるようになりました。また、無農薬栽培という付加価値をつけることで、収益向上を目指しています。
しっかり除草効果があるので「楽とーる」は大変だった除草作業を楽にします
無農薬栽培のため、以前は手押しの除草機で2〜3回ほ場に入って除草していました。条間は取れますが、株間の除草がしづらく、何回もほ場に入るのでとても大変です。今後経営規模を拡大した時にこのままでは体力の限界が来ると感じ、昨年より乗用で行えるチェーン除草を取り入れています。しかし、見えるか見えないか程度の初期の雑草しか取れないので、除草に入るタイミングが限られてきます。
「楽とーる」の実演では、完全に伸び切った雑草以外は除草効果が高く、除草後、水面に雑草が浮いていることが確認できました。条間だけではなく株間も一緒に除草できることにメリットを感じますね。また、「楽とーる」の安価で導入しやすい価格帯も魅力的です。
能勢で新規就農の成功モデルを目指す
能勢町には野菜の新規就農者はいますが、米づくりでの新規就農は前例が少ないと聞いています。しかしながら、高齢化で農家が減少する中で、地域で米づくりをする方が増えないと農地の維持はできません。新規就農者でも経営をしっかりと軌道に乗せることができるという成功モデルとなり、少しでも地域で米づくりに携わってくれる方が増えてくれればと思っています。
関連メーカーの声
「楽とーる」は有機農業に取り組む生産者と協力しながら開発しました
岡山県で有機農業を営む経営者と協力して開発したのが「楽とーる」です
岡山県津山市で、企業や団体をマッチングさせて、新たな事業や製品を生み出し、地域産業を振興する事業を行っていました。その時に中山間地域において有機農業で米づくりをしている生産者と知り合い、農機メーカーとしてなにかお手伝いが出来ないかと、6年前に「楽とーる」の開発プロジェクトがスタートしました。
回転ブラシが土を攪拌させながら、稲より短い根を張った雑草を除草します
稲にダメージを与えないように、株間と条間の除草を分けて考える除草機が多いですが、「楽とーる」は株間と条間を同時に除草ができるので効率的です。稲も草という視点で、泡立て器のような回転式の除草ブラシで稲ごと土を撹拌しながら稲より短い根を張っている雑草だけを引き抜いていきます。
時代のニーズにあった商品、それが「楽とーる」です
4年前に農業関係の展示会に「楽とーる」のプロトタイプを出展した際、思った以上の反響があり、ニーズを実感して本格的に生産者へ向けた販売をはじめました。除草剤の価格が高騰している中で中古機にもマッチングし安価に取り付ける事ができる「楽とーる」を活用して減農薬栽培等に取り組んでいただき、費用対効果等を検証しながら、持続可能な農業経営を行ってもらえればと考えています。